「懲戒」の社内公表、どこから名誉毀損なのか 社内でうわさが広がることもあるが…
都内のIT企業で働くDさんは、懲戒処分を受けた場合に、処分を受けた者の氏名を公表する会社のルールに疑問を感じている。
Dさんの会社では、従業員が何らかの不祥事を起こすなどして社内で懲戒処分を受けた場合、その氏名と懲戒の事実を、一定期間の社内掲示とメールで従業員に共有する形で公表している。
Dさん自身は懲戒処分を受けたことはないが、懲戒処分というペナルティーを受けた上に、名前まで公表されるのは、やりすぎではないかと考えている。実際、懲戒処分を受けた人の陰口を、社内で耳にすることもある。
社内で懲戒処分を受けた事実を従業員に公表することは法的には問題ないのか。尾崎博彦弁護士に聞いた。
名誉毀損にあたる可能性
「まず前提として、懲戒処分そのもの(処分の根拠となった事実)と懲戒処分に基づく降格や異動など分けて考える必要があるでしょう。
特定の従業員の降格や異動の事実などは、社内で一定の範囲の人間にその事実を共有されることは、名誉毀損と評価される可能性は低いと思います。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ライフの人気記事