大人気!アジア版スナチャ「SNOW」とは何者か 8000万DLの急成長「自撮り」アプリ

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「このアプリはクリエイティブなフィルターや機能をたくさん提供しているため、ブランドは、膨大な数の人たちに簡単にリーチし、彼らと気軽にコミュニケーションすることができる」と、ジェイ・ウォルター・トンプソンと提携している韓国エージェンシーのポストビジュアルのプランナー、ブイ・キム氏は述べる。

実際、ナイキの狙いは、このアプリで使える専用のスタンプを発表し、8月の「#UnlimitedKorea」キャンペーンを盛り上げることにあった。このキャンペーンは、ユーザーが17日間のトレーニングに参加し、その様子をソーシャルメディアにシェアするというものだった。ナイキはこのプラットフォームで使える専用のナイキスタンプをユーザーに提供することで、このトレーニングをより楽しいものにしようと考えたのだ。

「狙いは、ソーシャルメディアでの認知度を高め、キャンペーンに参加するユーザーを増やすことにあった」とキム氏はいう。詳しいデータは明らかにしなかったものの、ナイキはその成果に満足していた、と彼女は語った。

ほかの広告主もこのアプリに関心を寄せているが、実際に取り組みを進めたところはまだない。米国の外食チェーン、チポトレ・メキシカン・グリルでデジタルマーケティング担当ディレクターを務めるジャクソン・ジェヤナヤガム氏は、スノーを自らテストしているところだと話す。

「人々は新しいものを好む。このアプリは、すでに知名度があるものに、新しさをもたらすひとつの手段だ」と、彼はいう。「このアプリの米国市場への浸透の仕方によっては、ここ(米国)で活用できる可能性はあると私は感じている。だが、いまの時点では、我々にとって役立つものではない。我々はアジアに大きな足場を築いていないからだ」。

勢いはいつまで続く?

スノーの勢いは拡大を続けており、彼らがアジアにフォーカスしていることは賢明だといえるだろう。したがって、ピーチ(Peach)やヨー(Yo)のようにすぐに消えてしまうことはなさそうだ。だが、リーチと規模を拡大するためには、オーディエンスをつなぎ止めることが重要になる。それにはLINEとの関係が役立つかもしれない。

スノーは、LINEとの緊密な関係からメリットを得られる可能性がある。LINEは、ゲーム、スタンプを活用したマーケティング、商品の販売など、さまざまな取り組みから収益を上げている。スノーが自撮り用のフィルターで同じような取り組みができれば、利益を上げるチャンスを手にできるかもしれない。

それまでは、誰もがスノーの可能性を確信できるわけではない。

「(スノーの)活用に関して何かを述べるのは時期尚早だが、『注目株』であることは間違いない。ただし、アジアには非常に多くのアプリがひしめいているのが現状だ」と、レイザーフィッシュのスターク氏は語った。

Tanya Dua(原文 / 訳:ガリレオ)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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