「身売り失敗」のツイッターは生き残れるか 日本では支持を得るが、米国では大苦戦

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将来的なシナジー効果を期待するとしても、当面は足を引っ張ることが確実な案件にそれだけの巨額を投じるのはリスクが高い。実際、最も積極的とみられたセールスフォースの株価は、買収を断念したと報じられると急騰する皮肉な結末となった。

ツイッターは、単独でどう生き残りを図っていくのか。身売り交渉の頓挫後、同社は従業員の8%に当たる約300人のリストラ策を検討していることが明らかになった。ただ昨年10月にも300人超のリストラを実施していながら、黒字化には程遠い状況が続いている。生半可なコスト削減では問題解決にはならない。

アプリ内でアメフト中継が見られるように

そこで新たな試みとして、今年の米国大統領選挙において、ツイッターアプリ内で候補者のディベートをストリーミングし、ユーザーが意見を投稿できる場を提供した。またアメリカンフットボールの中継を見られるようにするなど、ニュース性のある話題の共有手段としてユーザーに訴求しようとしている。

買収に手を挙げた企業があったということは、ツイッターにまだ期待が残されている証左でもある。しかしいつまでも結果を出せなければついに期待は剥げ落ち、株価はさらに下落するだろう。それが買いやすさにつながり、他社に救済されるというシナリオも考えられる。

創業者でもあるジャック・ドーシーCEOは一度社を追われたが、昨年10月に経営トップに復帰。ここまでは米アップルのスティーブ・ジョブズの軌跡と重なるが、この先はどうか。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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