トヨタ、ホンダが探る3ナンバーセダンの活路 カギはハイブリッドにあり

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間もなく発売となるホンダの新型「アコード」のリアビュー

かつて日本で乗用車の代名詞だったセダン。ボンネットとトランクを持つ5人乗りのクルマだ。昭和や平成の初期までは、収入や社会的な地位が高い人は、エンジンの排気量や車体のサイズが大きい大型セダンを買い求める傾向が強かった。排気量2000cc以上、幅1700mm以上など、いわゆる“3ナンバー”に区分されるセダンをイメージするとわかりやすいだろう(編集部註:ナンバープレートの地名横に「3」で始まる3ケタの数字が示されているのが3ナンバー車)。

日本人のニーズは多様化

ところが、ミニバン、SUV(スポーツ多目的車)、ワゴンなど、今や大型のクルマにもさまざまなバリエーションがあり、ニーズも多様化した。メルセデスベンツやBMWなど欧州系の高級輸入車、それに挑むトヨタの高級車ブランド「レクサス」などを別にすれば、日本人の国産“3ナンバー”セダンに対する需要は、大きく縮んでしまっている。

一方で、その国産“3ナンバー”セダンに、活路も見えつつある。カギはエンジンとモーターを併用して走ることで、低燃費を実現する「ハイブリッド車(HV)」にある。

ホンダは6月21日、大型セダンの主力モデル「アコード」をフルモデルチェンジ(全面改良)し、HV専用モデルとして発売する(=右写真=)。カタログ燃費はガソリン1リットル当たり30キロメートル(JC08モード)。トヨタ自動車の「プリウス」や「アクア」などの中小型HVには及ばないものの、排気量2000CC級のエンジンを積む大型セダンとしては、最新の軽自動車並みの燃費を実現した。

新型アコードは、新開発の2モーター式ハイブリッドエンジンを採用、エンジンが苦手とする低中速時はモーターのみで走行、エンジンの効率がよい高速走行ではエンジンのみで走り、さらに加速時にはエンジンをモーターでアシストするのが、燃費性能を高める仕組みである。

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