NHKの受信料、「支払い義務化」はできるのか

「ワンセグ携帯裁判」では契約義務なし判決

テレビはなくとも、ワンセグ携帯の保有を理由に受信料を支払っている世帯は単身者を中心に相当数あるとみられる。今後の判決次第では、返金を求める声も上がりそうだ。

一方、判決は放送法の制度疲労による側面も大きい。最近はネットやスマートフォンの普及によって、ユーザーはテレビだけでなく、さまざまな端末で動画を視聴するようになっている。だが、1950年の放送法制定以降、受信設備の設置者にNHKとの契約義務を課す規定の骨格は変わっていなかったのだ。

義務化へのハードルは?

そうした中、放送法改正に向けた議論が着々と進んでいる。昨年9月、自民党の「放送法の改正に関する小委員会」は総務省とNHKに対して提言を行った。

その第一に掲げられたのが、受信料支払いの義務化だった。強制徴収や不払いに対する罰則規定、ネット配信のみの視聴者からの徴収方法を検討し、さらに、義務化によって可能になる値下げ計画を策定すべし、というものだ。

提言を受け、総務省は有識者による検討会を立ち上げ、昨年11月から議論を重ねてきた。11回の会合を経て、9月には「第一次取りまとめ」が承認されている。ここでは、NHKが実証実験を進める、地上波とネットの同時配信などを推進する方針が確認された。海外の公共放送をモデルにした受信料制度の再構築や、衛星放送の料金見直しも盛り込まれた。

 

NHKにとって、年間6000億円超と収入の96%(2015年度)を占める受信料の義務化はまさに悲願だ。同年度の受信料支払率は77%。その徴収のために、戸別訪問する「地域スタッフ」や営業会社への委託費用など、毎年700億円以上がかけられている。義務化が実現すれば、支払率の向上だけでなく、大幅なコスト削減が見込める。浮いたカネを原資とした値下げもアピールできる。

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