コツコツ貯金したいなら4色で流れをつかめ 家計も企業もどんぶり勘定は危なすぎる

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リボ払いに切り替えたんですが、正直、あんまり意味がなくて、というかむしろ金利がかさんで、どんどんきつくなってしまいました。お客様のことよりも、毎月の支払いで頭がいっぱい。そんな営業マンから、誰も買いたくはありませんよね。反省しています」。

Uさんはその後、弁護士に相談して債務整理をした。「自己破産というのは痛い経験でしたけれど、これだけのショックがあったからこそ、自分のおカネの流れをしっかり見直そうという気になりました。しばらくクレジットカードは使えませんしね。こうなる前に先生のお話を聞きたかったです」。すべてを妻に伝え、今ではしっかりと家計管理に勤め、堅実な家庭を築いている。

Uさんの話は、何も歩合で働く人だけに起こることではない。「ちょっとしたぜいたく」に慣れてしまうことと、「クレジットカード」という“おカネの流れを麻痺させるシステム“のダブル攻撃で、あっという間にあなたの財布は窮地に立たされてしまう。

会社経営者にもどんぶり勘定の人は多い。事業がうまく回っているときは、それなりに儲かっている“かのように”見える。しかし、一旦事業がつまずくと、あれよあれよとその実態があらわになる。危機に気づいたときにはすでに手遅れで、一気に倒産への道を転がり落ちるのである。

経営者であっても個人であっても原理は一緒。「おカネの流れ」を見失わないことが、何よりも大切なことなのだ。クレジットカードは、この「おカネの流れ」を見えにくくしてしまう。クレジットカードは非常に便利なものなので「使うな」とまでは言えない。使うなら明細書をカラーペンで色分けするなどして、4色のおカネの流れを「目に見える形」にしておくとよいだろう。最初のうちは、色分けされた明細を見ても何が何だかよく分からないかもしれないが、続けていくうちに、航海士が潮の流れを読むように、おカネの流れが見えてくる。それが、おカネをコントロールする第一歩なのだ。

シンプルな管理術

『資金繰りは4色通帳にまかせなさい』(経済界新書)。画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

私のクライアントで創業以来、「前月末より1円でも多くおカネを手元に残す」と心に誓い経営に取り組んでいる社長がいる。その社長が特に重視しているのが預金通帳の残高である。具体的には「月末の預金口座残高」という明確な測定地点と、「前月末よりも1円でも多く」という測定基準を設けることによって資金繰りの良し悪しを判断している。

これは非常に賢明であり、また、普遍性の高いおカネの管理術でもある。企業はもちろん、個人にも応用が利くうえ、とても簡潔で明瞭。また、これを徹底していけば、月末金欠を脱却するだけでなく、コンスタントな貯蓄も可能になるだろう。

おカネの管理というのは、意外とシンプルなもの。流れをつかめば、自ずと解決策は見えてくる。おカネの役割を色分けすれば、その流れを「見える化」することが可能だ。これをコントロールできれば、おカネに振り回されたり、悩んだりすることはなくなるだろう。

亀田 潤一郎 資金繰り改善コンサルタント/税理士

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かめだ じゅんいちろう / Junichiro Kameda

1967年神奈川県生まれ。大学卒業後、大原簿記学校税理士科講師、経営コンサルティング会社、公認会計士事務所を経て2003年5月に税理士開業。税務のみならず、中小企業の「資金繰り改善コンサルタント」として、とくに数字に苦手意識を抱く経営者向けに4冊の預金通帳のみで資金繰りを良くする「1・3」フォーメーションを開発、指導。シンプルでありながら、お金のコントロール方法と予算管理の実践的な知恵が身に付くと好評を博し、導入後3カ月以内に実施するアンケートでは90%超の顧問先から「導入前に比べ大幅に資金繰りが改善している」との回答を得ている。著書に『通帳は4つに分けなさい~資金繰り上手の社長が使っている究極のお金管理法』(経済界)、『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』(サンマーク出版)など。

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