勉強前の「単純作業」で集中力は大きく変わる 勉強モードに入りにくい子に教えたい

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では、どのようにすれば、その仕掛けができるかというと、「ルーチン」を作ってしまうといいでしょう。

ルーチンとは、決まり切った日常の作業のことを示す言葉で使われたりしますが、「決まり切った手続きや手順、動作(ルーチン)」を作ることで集中モードに入るスポーツ選手の型として使われることも最近多いですね。

このルーチンという発想はたまたま、私が中学生の頃、藤井さんのお子さんと同じように、家に帰ってきていきなり勉強する気になれないことから生まれました。当時、私はスケジュール表も作っていましたが、学校から帰ってきていきなり勉強などできません。マンガを読んだりすると、完全遊びモードに心が出来上がってしまいます。

勉強モードに入るための「ルーチン」

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それでも勉強しなければいけないから、勉強をやろうと思いますが、なかなか勉強モードに入れません。そこでやったことが、「漢字の練習」なのです。この「漢字の練習」が私にとっての「ルーチン」だったのです。

漢字の練習は、私にとっては勉強とまでは言えない、遊びモードと勉強モードの中間のような“グラデーション”の位置付けにあるものでした。面白いことに、この漢字の練習を15分ぐらいやると、勉強のモードに切り替わるから不思議です。これはちょうど、写経をやって心を落ち着かせるような感覚だったのかもしれません。それが終わると、数学や英語、宿題などへとスムーズに入っていけたことを覚えています。

このような経験があったため、なかなか勉強する気になれない生徒には、この「漢字練習」を始めの第一歩として勧めました。この効果があまりにも大きかったので、私は、今では勉強の集中モードに入るためのルーチンは「漢字練習がいい」と言っています。できれば、あまり頭を使わずに、短い時間で終わるもの、それが漢字だったのです。

もちろん、すべての子どもが、漢字がルーチンになるとは限らないことでしょう。数字が好きであれば、計算練習がルーチンになるかもしれませんし、本が好きな子であれば、読書かもしれません(学校で行う朝読書にはこのような効果もあるようです)。要するに、勉強モードに入るために、毎日できるルーチンとは何か?ということを考えてみるといいでしょう。

以上、2つのお話をしました。勉強モードに入れなければ、入れる環境を作るか、入れるルーチンを作るか、ということです。お子さんの様子も見ながら、この点を参考にしてみてはいかがでしょうか。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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