金利上昇の説明に”苦慮”する黒田総裁 円安・株高でも、国債市場は不安定なまま

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国債市場の安定化には要時間

日銀の予想に反して早々に金利が上昇し続けるようだと、金融緩和の中で住宅ローン金利などは上昇する。超低金利で利払いが抑制できていた政府にとっても痛手となる。金融緩和で”時間”を買っている間は、できるだけ低金利が維持されているほうがいい。

黒田総裁は「金融緩和の3つの波及経路のうち1番目の経路(長めの金利や資産価格のプレミアムへの働きかけ)として重視している。引き続き尽力していく」と述べた。

だが、実務を担う金融市場局ができることは、「全体の金利低下を促す」ことではなく、景気回復や物価上昇期待からくる金利上昇をできるだけ抑制し、市場が混乱しないように円滑に国債の買入れを進めることなのかもしれない。

いずれにしろ、日銀が今回の金融緩和を通じて資金供給量を2年で2倍に増やすため、民間金融機関から膨大な額の国債を買い入れることに変わりはない。日銀は異次元の金融緩和にどのような副作用が伴うのかを、これまで以上に注視していく必要がある。

井下 健悟 東洋経済 記者

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いのした けんご / Kengo Inoshita

食品、自動車、通信、電力、金融業界の業界担当、東洋経済オンライン編集部、週刊東洋経済編集部などを経て、2023年4月より東洋経済オンライン編集長。

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