実は大赤字?自治体「東京アンテナショップ」

銀座の超一等地に店を出せるのはなぜか

なぜ採算を度外視してまでも、自治体はこぞって出店するのでしょうか。ここで問題なのは、「地方の商品が売れないのは、知られていないからだ」という、地方と生産者と都市にいる顧客の「情報の非対称性」を理由にしたりする人がいることです。

アンテナショップの悲しいリアルとは

しかし、もはや今は昔と違って、東京都内の百貨店のデパ地下、駅ナカ、さらにはスーパーに至るまで、地方食材を多様に取り扱っています。さらにインターネットもあるため、一等地に店を出すだけで、多くの人に良さが伝わり売れる、なんて都合のいい話はそうそうありません。「売れないものは売れないだけの理由」があり、むしろ、知られたらまずいことが認知されて、もっと売れなくなるなんて皮肉なこともあります。

結局、アンテナショップには一見良さそうに見える「地域縛り」で集められた、バイヤーも買い付けしない、ネットで消費者も指名買いしないような「売れない地元商品」を、とんでもない家賃の立地にそろえることになります。もちろん、さすがにそれだけではお客様も来ないので、「地元の有名な商品」も取り揃えて抱き合わせて売り場を作って客を集めている、というのがアンテナショップのリアルなのです。

しかし、そもそも地元の有名な商品は、アンテナショップなんかに行かなくても、デパ地下でもスーパーでもネットでも買えるし、売れているものがほとんどです。それらを、わざわざ税金をかけた店で売るのもバカバカしい話でもあります。

さらに通常では東京の売り場に置かれないような「売れない地方商品」を税金を使って東京の売り場に並べ、結果的には採算度外視で安価に販売しているのも滑稽な話です。売れ筋も死に筋も一緒にして、税金で採算度外視で安売りするということは、付加価値を産むどころか、ある意味毀損しているとも言えます。

一方、各地域のアンテナショップは東京への地方自治体の「基地」として、販路開拓機能も期待されています。しかし、どこのアンテナショップでも「商談成立数」は書いてあっても、それら商談によって従来売れなかった商品がどれだけ流通したのかという金額ベースの話は見当たらないところばかり。まぁ書いていないということは、推して知るべしです。

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