丸亀製麺「牛すきうどん」が過去最高のワケ

裏メニューの「天丼」も人気化

「牛すき釜玉うどん」は、食欲の秋にちなみ、「ボリュームのあるうどんをがっつり食べて身も心も満足してもらいたい」というコンセプトで開発されたメニューだ。1食当たり牛肉が120グラムというボリューム感もさることながら、最大の魅力となっているのが、その調理法だという。

「事前に大量に仕込んでおいた牛肉の煮込みをうどんにのせて出す、というのが一般的なやり方です。でも、それだと配給みたいで何とも“不細工”なんです」(恩田本部長)

給料日やお祝いなどの特別な日に、家族みんなで囲む――すき焼きにはそんな、郷愁を誘う幸せなイメージがある。日常的な食べ物ではないのにもかかわらず、“国民食”と言われるゆえんだろう。

確かに、作り置きの肉をそのままポンと出されるのでは、すき焼きという言葉から喚起される幸福感が皆無である。恩田本部長が“不細工”と表現するように、いかにも業務用の大量生産という感が否めない。

「そこで、牛すき釜玉うどんでは個食対応に力を入れました。注文を受けてから1品ずつ目の前で牛肉を焼き上げます。出したときのお客様の反応がまったく違いますね。“喜びレベル”が高いんです」(恩田本部長)

料理提供が「宣伝」になっている

9月14日から10月下旬での期間販売されている「牛すき釜玉うどん」(640円、税込み)

具体的には「わあっ、おいしそう」という声や表情の輝きが違うということだ。また、ひとりずつにサービスするところから、よりおもてなし感を受けてもらえ、満足感が高まる。肉を焼く音、甘い香りなども料理をおいしく味わってもらうための演出になる。

「他人が食べているのを横目で見て、“次はあれを食べてみよう”と気になるお客様も多いと思います。料理を提供するという、店舗の通常の活動が宣伝にもなるのが最大のメリットです」(恩田本部長)

すき焼きの個別対応を実現するために、1年かけて準備を行ったという。国内約800店を数えるすべての店舗にIH調理器を備え付け、1店舗につき1~2人のスタッフ増員を図った。当然コストはかかるが、好調な売り上げで十分にペイしているとのことだ。

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