韓国大慌て、「ノート7がここまで酷いとは!」 サムスンが落ちた「リコール10倍の陥穽」
二次電池専門家の間では、「ギャラクシーノート7の欠陥原因がわからないまま、迷宮入りしてしまうのではないか」と囁かれている。韓国・電子部品研究院次世代電池研究センターのパク・チョルワン元センター長は「ギャラクシーノート7には、サムスンが保有する最先端の技術がほぼ投入されている。そんな製品に生じた欠陥の原因究明をおろそかにしたままでは、消費者が次のモデルを信頼できるだろうか」と指摘する。
パク氏はさらに「原因がわからない何らかの問題があり、それが壊れたままの状態が続いて機器全体に伝わり、加熱した可能性がある。バッテリーが加害者ではなく被害者である可能性も念頭に置き、入念な原因分析をすべきだ」と主張している。
「リコール10倍の陥穽」に落ちた
二次電池関連企業に勤務した経験のある別の専門家は「バッテリーの爆発にはさまざまな原因が絡み合っているのが普通だ」と言う。だからこそ原因究明は簡単ではない。ところがサムスンは原因究明に時間をかけず結論を急いだ。「事態の早期終結による早期販売再開を決定したようだが、いまこそ、欠陥品となった理由が何だったのかをきちんと究明すべきだ」と忠告する。
そもそも、サムスンはライバルのアップルよりも早く最新製品を上市するため、また各種プレミア技術をアップルよりも先に搭載するために焦っていた。さらには欠陥でリコールとなった状況を早期に収拾するために事を急ぎすぎた。こうした「焦り」が欠陥とリコール費用を拡大させる要因になったという指摘も出ている。
すなわち、サムスンが製品開発の初期から生産、販売に至るまで、発見された欠陥を解決しようとしなかったため、収拾費用が膨大になってしまう「リコール10倍の陥穽」に落ちてしまったのではないか、ということだ。
開発段階なら100ドルで解決できた欠陥が、設計が終わった後に発見されれば1000ドル、生産に入った後には1万ドル、発売後には10万ドルの解決費用が必要というのが、「リコール10倍の陥穽」が意味するところだ。ギャラクシーノート7は今年8月19日の発売前段階で、韓国国内で40万台の予約を集めたほど初期の販売量が多かったこと、また9月2日にリコールの実施を発表した後にもサムスンの製品を避ける消費者が少なかったことが、リコール費用を高める悪材料となってしまった。