ニッポンの筆記具、「逆風下」で稼ぐ秘訣

パイロットと三菱鉛筆が過去最高益うかがう

これまで、日本の筆記具は「100円ボールペン」に代表される低価格が主流だった。が、「この5~6年くらいから、“脱100円”の動きが見られ始めている」(日本筆記具工業界の春田恭秀専務理事)。従来品にグリップをつけたり、クリップを改良したり、さらにボールペンの多色化やシャープペンとの複合化などの工夫を加えたりなどといった高付加価値ペンの開発だ。その急先鋒がパイロットと三菱鉛筆だ。

「逆張り」の高価格化がヒット!

高付加価値化の筆頭はパイロットから07年に発売され、いまや看板商品となっている「フリクションボール」。書いた文字をペンの後ろのラバーでこすることで、摩擦熱を発生させ、書いた文字が消せるボールペンだ。登場時は200円を超える価格で、通常の100円ボールペンの2倍の価格だった。

三菱鉛筆が08年に発売したシャープペンシル「クルトガ」も、高付加価値ペンの代表例。文字を書くときの筆圧で、内部のギアが少しずつ回り、書くたびに芯が少しずつ回転、常にとがった芯で書くことを可能にしたシャープペンだ。こちらも当時の商品は450円と高めだ。

いずれも法人のギフト向けが減退した時代にうまくはまった。会社等から支給されるペンが減り、ユーザーが自ら筆記具を購入する機会が生まれたためだ。法人ギフト商品は低・中価格帯が主流だったが、個人が自分のために買う場合は、機能や書き味を重視する購買志向が顕著に出た。

筆記具は数百円と単価の低い商品。少しでも自分に合う商品があれば、たとえ2倍の価格が高いものでも気軽に手が伸びる。実際、両社の商品とも発売するやいなや瞬間蒸発。中高生の間で口コミが広がり、つい最近まで品薄状態が続いていた。

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