パイオニア、三菱電機とドコモが上位株主に 巨額赤字計上後の信用補完が狙い
しかし、財務的にみれば、巨額の最終赤字計上に伴う資本毀損を両社からの出資で補った、というのが実態だ。筆頭株主であるシャープが保有株を売却するのではないかという観測があることから、あらかじめ対策を取ったとみることもできる。
シャープが保有株式を売却する可能性について記者が尋ねると、小谷社長は、「シャープからは株式を売るという相談は今のところない。シャープの件と今回の増資はまったく別と考えてもらいたい。ただし当然のことながら信用補完ということにはなる」と語った。
構造改革費用など膨らみ純利益は巨額赤字に
パイオニアが同時に発表した前2013年3月期決算の実績は、DVDドライブなど光ディスクドライブ事業の縮小等によりホームエレクトロニクスが赤字に転落したことなどが響き、営業利益は60億円止まりとなった。会社側の計画では、昨年5月の期初時点での営業利益見通しは240億円、直近の2月時点では100億円であり、着地は大きく下振れたことになる。
また、特別損失として、構造改革費用や投資有価証券評価損失を計上したことにより、純利益は195億円の巨額赤字となった。
一方、今2014年3月期は、ホームエレ黒字化、カーエレの利益拡大により、会社側では営業利益150億円を計画している。東洋経済では、「会社四季報」春号(3月中旬発売)時点では、14年3月期の営業利益を135億円と独自に予測していたが、会社計画では円安が進んだ分を上乗せにしている形だ。
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