築地は「食のプロ」が生み出した伝統文化だ 日々の真剣勝負が巨大な市場を支えている
「築地は何よりも信頼関係が大切です。小さな信用を少しずつ重ね、“こいつのためなら何とかしてやろう”と思い合えることで、入荷が少ない時にもお目当ての品を手に入れることができるんです」と佐藤さんは話す。
にっぱん水産が築地市場での売買参加者に名乗りを上げたのには、“消費者に美味しい魚を届けたい”という熱い想いからだった。
代表取締役社長の貫田貢司さんはこう話す。「自分たちの役目は、美味しい魚を提供することで、消費者であるお客さまに喜びを感じてもらうこと。自分たちの目で確かな品を選び、この手で届けたいという想いから、築地市場で勝負を始めたのです」。
わたしたちが日々、何気なく口に運んでいるおいしい魚は、こうして市場で奮闘する人々の熱意が込められているのだ。
築地から受け継がれていくもの
築地市場に関わるさまざまな魚のプロたち。
そのプロたちが繰り広げる日々の真剣勝負、そしてその勝負を支える確固たる経験と技、信頼関係、そのすべてが築地市場を築き上げてきた。
現在、豊洲市場への移転が検討されているが、たとえ場所が移ろうとも、日本橋魚市場の時代から脈々と受け継がれ、食のプロが築き上げてきた伝統と文化は、これからも途切れることなく、受け継がれていくことを望む。
(Writer : YUKI MOTOMURA / Photographer : CHIE MARUYAMA)
東京都中央区築地5丁目2−1
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