要注意!密かに増えている子どもの「高血圧」 「自分の子は大丈夫」と侮るな
高血圧症の子どもがその診断を受けられないのは、「医師に治療法に関する知識がないためだ。治療法を知っている医師が増えれば、高血圧の診断をする医師も増えるだろう」と、ラオは言う。
子どもの高血圧症診断を難しくしているもう一つの要因は、子どもの「正常な血圧」が、性別や年齢や身長によって異なることだ。このため90パーセンタイル値以上だと問題ありとみなされ、95パーセンタイル値以上だと深刻な高血圧症とみなされる。
問題は親にもある
大人の場合、高血圧を定義する尺度は1つしかない。通常、元気な子どもが医療機関で手早く測定してもらった血圧が注目されることはめったにないと、ラオは語る。
親にも問題はある。「ほとんどの親は、自分の子が高血圧症かもしれないなんて思ったことがない。だから医師に子どもの血圧を測って、結果を教えてくれと念を押すのを忘れる」とラオは言う。「親は病院に行くたびに、『うちの子の血圧調べていただけましたか? 正常値ですよね?』と聞くべきだ」。
いわゆる「白衣高血圧」の問題もある。病院に行くと不安や恐怖で、血圧が平常値より高くなる子どもがいるのだ。したがって子どもの血圧を測るときは、10分ほどじっと座ってからにすること。また、高い数値が出たら2回以上測りなおすそう。3回とも高い数値が出たら再診の予約を。子どもの高血圧は、3回受診して、3回とも高い数値が出た場合に診断するべきだ。
病院にしょっちゅう出向くのが難しかったら、常時装着できる電子血圧計を使うのもいいだろう。この装置を着けていると、20分おきなどに自動的に血圧を測定してくれる。その子の血圧が常に正常値よりも高ければ、半年ごとに再検査するべきだ。