「ひとりブラック企業」を誇る残念な人たち デキる人は「経営者感覚」で体調管理する

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

自分の体を“ホワイト企業”にすることのメリットの話をしましょう。

かつてアメリカでは、「肥満の人は出世できない」と言われていました。肥満体は自己管理能力の欠落を表す――というのが根拠でしたが、最近はこの手の話を聞かなくなりました。差別につながると考えられるようになったからなのかもしれません。

私も、このような外見とその人の仕事の能力、気力、それらの源となっている体力とは無関係だと思っています。大事なのは、「どう見えるか」ではなく、あくまで「体調管理にどれくらい気を使い、それを実行し、健康であるか」だからです。

体に気を使い、実行している人が、不健康そうな見た目であることはありません。体力があることのおまけとして、顔色や目の輝きに、健康であることがオーラのようににじみ出ています。見た目は、体力・体質・体調が万全なら、自然と魅力的になるものなのです。

そうなれば、仕事もますますできるようになり、自信も芽生えるでしょう。

肥満の人が出世できないというよりは、体からオーラを放つ健康的な人が出世し、人生を楽しめると言ったほうが、現実に即していると私は思います。

リーダー・経営者に必要な「体力」とは

書影をクリックすると、Amazonのサイトにジャンプします

健康的なオーラを身にまとって組織の経営者・リーダーになったなら、その時には自分の体だけでなく、その組織をも、同じ考えに立って経営する必要があります。そのときに必要なのは、最後が「Akirameru」にならない、本当のPDCAです。決してあきらめることなく、自分自身と組織の健康状態が良好に保たれているか、そうでない場合にはどうやって改善してサステイナビリティを保つかを、常に気にかけていないとなりません。経営状態が悪化した企業の経営者には、この視点が欠けています。

私は、経営者たるものはその組織をブラック企業化しないことはもちろん、無条件で増収増益を続ける責務を負うべきだと考えています。ですから、組織にとって重要なサステイナビリティという観点を重視して経営に当たってきました。

組織のトップに限らず、リーダーにはこの視点が必要です。もしあなたの上司が、根性と義務感の産物である残業を好み、定時で帰る部下を好ましく思わないタイプなら、その人から嫌われても気にすることはありません。その上司は、はじめからリーダー失格だからです。残業をして成果を出そうなどというのは、サステイナビリティを無視した、実にブラック企業的な考え方で、結局は良い結果を生み出せません。

この視点は、いま、自分自身の体を経営するときにも欠かせません。
最後にもう一度お尋ねします。

「あなたは体力を削って無理をする、ブラック企業的な人生を送りたいですか?」

吉越 浩一郎 吉越事務所代表

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

よしこし こういちろう

1947年千葉県生まれ。ドイツ・ハイデルベルク大学留学後、上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。極東ドイツ農産物振興会、メリタジャパン、メリタカフェを経て、83年にトリンプ・インターナショナル(香港)に入社。87年にトリンプ・インターナショナル・ジャパンの代表取締役副社長、92年に同社の代表取締役社長に就任。代表取締役在任中に19期連続増収増益を達成。2004年に「平成の名経営者100人」(日本経済新聞社)の1人に選出される。06年に退任し、現在は、吉越事務所代表。経営コンサルティング、執筆、講演を中心に活躍している。
著書に、ベストセラーとなった『デッドライン仕事術』(祥伝社)や『仕事ができる社員、できない社員』(三笠書房)など多数がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事