良きライバル 樋口久子 ジュニアゴルファー育成財団が設立

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薫風が心地いい今日この頃、まさにゴルフシーズン到来です。

緑の芝の上をボールを追いかけ何もかも忘れるのもゴルフの楽しさですが、自分が感じるゴルフの最も良い点は、良いも悪いも自分のせい、自己責任ってことだと思っています。練習をしたくなければしないでもいい、でも、努力をしたかどうかは、やがて成績に跳ね返ってきます。

プレー中は審判員がついてくるわけでもなく、審判は自分の心の中。ズルもできるわけなんだけど、でも、生きるうえでいちばん大切な信用というものを失ってしまう。ゴルフっていうスポーツは体力も精神力も鍛えられる良いものです。

だから、子供の教育には最も良いと思っていますが、この4月にジュニアゴルファー育成財団が設立されまして、自分と樋口久子さんが理事に就任しました。

樋口さんの事は昔からチャコと呼んでいるけど、プロ入りは自分のほうが3年ほど早い。一方、ゴルフの成績は一歩先を歩かれてて、海外での優勝もチャコが先、世界ゴルフ殿堂入りもチャコが先、紫綬褒章の受章もチャコが先でした。

そんな二人がそろって理事に就任、感慨深いものがありました。女子プロと男子プロ、土俵は違ったけど、言ってみれば自分のゴルフを貫いた、似た者同士と思うんです。

古いゴルフファンの方はご存じのとおり、チャコのスイングは個性的、オーバースイングと思われるほどのテイクバック、でも、インパクトでは構えた所にヘッドが下りてくるんで、米国では磁石のようなスイングと言われたらしい。

昔からそうなんだけど、海外に試合で出ると、どうしても自分のゴルフを忘れてよそ行きのゴルフをしたくなるものです。栄養分を吸収しながら自分のゴルフを貫く、チャコはゴルフに関しては頑固者だからこれを貫けたんです。

彼女は選手時代は、脇目も振らず淡々とプレーだけに集中する地味なタイプの選手でしたが、女子プロ協会の会長になると、逆にやや派手めな選手というか、ゴルフファンの注目を引く選手に拍手を送ったんですね。

自分もそうだったけど、少し前の時代は、米国ツアー的なファンサービスを知っている選手が、日本の試合会場でファンサービスをすると、ちょいと浮いた感じになっちゃいましてね。チャコも同じ気持ちだったのでしょう。米国では、選手がポケットにサインペンを持っているのは珍しくなく、ファンサービスに熱心です。

日本の男子ツアーも遅まきながら、今年池田勇太が選手会長になって、徹底的にファンサービスをしているそうです。プロゴルフトーナメントは、地元ファンとスポンサー、それに選手が一体となって作るもの、そう思っているようです。皆さん、ご観戦をよろしく。

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