なぜ｢ギョーカイ美女｣には未婚者が多いのか テレビ局勤務､2人の39歳女性に起きたこと

さて「エリート美女」のA子のほうだが、幸せとは永遠に続くものではないらしい。人もうらやむ華美な毎日が次の一言で終止符を打たれてしまう。

「結婚しよう」

A子をはじめ、取材した複数のエリート美女の大半が、28～29歳になると、当時の恋人から求婚されている。そのときの相手の特徴だが、「40代で、年収2000万円前後の、佐藤浩市似の、ギョーカイ関係者」となる。同じ局員というケースもあれば、仕事で出会ったギョーカイ人（レコード会社社員、プロダクション社員、出版社社員）もある。

ここで──、A子は人生の選択を迫られる。

「結婚して家庭に入るのもいいか」と、求婚を受け入れるか、「こんな楽しい毎日を捨ててまで、結婚なんかするわけない」と、相手を振るかのどっちかだ。

前者の場合は、“戦線離脱”となるので、ギョーカイ女子を晴れて引退することになる。主婦としての家庭生活が待っているだけだ。

後者こそ本章のテーマである「独身美女」の道を進むことになる。──そしてA子は言う。

「あそこでなあ」

彼女たち独身美女の大半が、その選択を後悔する。その後、何が起きるのか。

30歳を過ぎると、置かれる立場に変化が起きるのは、誰しも変わらない。先に触れたように、雑草女のB子も奴隷の日々から解放されて、役職が付いている。一方、恋人の求婚を断った、エリート美女のA子の変化は如実である。

男たちの興味は「新人美女」へ移ってしまった

「前ほどチヤホヤされなくなるの。気のせいでもなんでもなく、実際にそうなるんです」

それはなぜか。答えは簡単。新人美女が続々入社するからだ。男たちの興味が新しいほうに向くのは道理で、かつて自分が居座っていた、“なんでも許される甘えていいポジション”にルーキー美女が入れ替わるように入ってくるのだ。

さらに、A子を災難が襲う。

B子がそうであるように、30歳を過ぎたA子にも何らかの役職が付くようになる。「主任」もしくは「グループ長」がよくある肩書かもしれない。しかしである。20代を色恋とともに過ごしてきた、A子の仕事スキルは往々にして低い。周囲に甘え、怠けてきたツケをここで支払わなければならないのだ。

そんなA子を襲うのは、容赦のない非難と陰口の嵐である。