なぜ「ギョーカイ美女」には未婚者が多いのか テレビ局勤務、2人の39歳女性に起きたこと
ひとりは、清楚にして容姿端麗、よく手入れされた長い黒髪が、早くも男性社員の耳目を集めるA子。それもそのはず、A子は大学1年から3年にかけてミスコンの常連。2年のときは準グランプリに輝いている。超難関といわれるテレビ局への就職がかなったのも、有名私大卒という学歴もさることながら、その美貌も対象になったのは言うまでもない。入社して広報部に配属されるのもうなずける話だ。
そしてもうひとりは、美女……とは言いがたい、正直なところ、中の下。いや、下の上でもいい容姿のB子。高校時代は、体育系の部活に所属し、インターハイで県大会優勝の実績がある。私大から推薦入学の話もあったが、実力で国立大に合格。知能の高さと、スポーツ歴が買われ、テレビ局への就職が決まった。配属先は制作部、情報番組の最前線にいきなり放り込まれたのだ。
上司を含む男性全員から「チヤホヤ」
こんな2人の同期のたどる足跡は、当然のことながら、実に対照的なものとなる。
「新卒で就職した頃は……とにかく楽しかった。毎日が新鮮だったのもあるし、仕事もそんなに大変だとは思わなかった」と回想するのはA子である。
「自分で言うのもアレですけど、本当にチヤホヤされました。上司も含む男性全員がそうで。少々の問題も不問。というより、何か問題が起きたら、周りがわれ先にと火消しに走ってくれて、私の機嫌をとろうとするんですよ。大げさじゃなくて本当です」
筆者が放送局のカフェでA子から話を聞いている最中、たまたま、彼女の1期先輩の女性局員がテーブルに現れて話に加わった。
「あー、あー、本当にそうだったよね」と相づちを打ちながら、当時を振り返る。「別にこの子が頼んだわけでもないのに、男子が一斉にそう動いている感じだった」。
「そんな環境だから甘えてました。大学時代から付き合っていたカレがいましたけど、すぐ別れて、8歳上の広告代理店のカレと付き合い始めました。でも、わりと自由にやってましたね」
「自由とは具体的にどういうもの?」と水を向けると、はにかみながら答えた。
「広報にいたので、雑誌や新聞の記者さんをお連れして、番組の収録に顔を出すこともあったし、事務所の方との打ち合わせに参加することもありました。タレントさんが同席することもたまにあったんです。たとえば食事会の席とか。そういう場では、必ず連絡先を聞かれました」
「タレントさんってどういうたぐいの?」
さらに水を向けると……。