フクシマ氏「大統領選は最後まで混戦が続く」 ヒラリー支持率が急降下した要因とは?

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7月のUSAトゥデイ紙の世論調査では、有権者の53%がクリントンに、60%がトランプに対して否定的な見方だった。保守系の大手テレビ局フォックスニュースが、クリントンは正直で信頼できる人物か尋ねた世論調査では、回答者のわずか30%がイエスと答え、67%がノーと述べた。トランプに関しては、イエスと答えたのは34%で、63%がノーと述べた。

これら世論調査の結果は一貫している。3月に行われたCBSニュースとニューヨーク・タイムズ紙の世論調査によると、トランプとクリントンは、CBSが30年以上前に世論調査で好感度の質問を始めて以来の過去最低の評価を得ている(それぞれ「好ましくない」が57%と52%)。また、1月のギャラップ世論調査でも、米国人の60%がトランプを否定的に見ているのに対し、クリントンは52%だった。

しかし私は、ヒラリー・クリントンは、上院議員時代も、国務長官としても評価されていることから、大統領に選出された場合、政治的リーダーシップを発揮し、経済成長を促し、富と所得格差の問題を是正する政策を実施すると期待している。そうなれば、彼女の好感度や信頼性への評価は大幅に改善するだろう。

今後の注目ポイントは?

11月8日の投票日まで、大統領選挙は残り1カ月となった。今後、最も重要なのは、9月26日、10月9日、10月19日に開かれる3つの大統領候補者のテレビ討論会と、10月4日に予定されている副大統領討論会である。

1回目のテレビ討論会は1960年に始まって以来、最多の注目を集め、視聴者はアメリカで1億人を超える可能性があるとみられている。討論会への関心の高さは、以下の理由に起因すると考えられる。①両候補者とも非常に目立つ上、物議をかもす人物である、②クリントンは米国の歴史上、初の女性大統領になる可能性がある、③トランプは1952年のドワイト・アイゼンハワー以来の、政治家出身ではない大統領になる可能性がある、④両候補の米国の現状と、未来に対するヴィジョンは、正反対であり、米国の次期大統領として誰に投票すべきか、明確な選択肢を有権者に提供していると言える。

今回の大統領選の特徴である支持率が乱高下し、予測不能な展開は最後の数週間まで続くと考えられる。誰が第45代米国大統領になるのか、米国人だけではなく世界中から見守る人々が最後までハラハラさせられることだろう。

グレン・S・フクシマ 米国先端政策研究所(CAP) 上級研究員

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Glen S. Fukushima

ワシントンD.C.のシンクタンク「米国先端政策研究所(CAP)」の上級研究員。カリフォルニア州出身で、アメリカ合衆国通商代表部で対日と対中を担当する代表補代理や在日米国商工会議所の会頭を務めた経歴を持つ。また、ハーバード大学の大学院生のときには、エドウィン・ライシャワー教授、エズラ・ヴォーゲル教授、デイヴィッド・リースマン教授の助手を務めた。

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