日銀、金融政策の枠組みを大幅に修正

イールドカーブ・長期金利の目標を採用

超短期金利を操作するため、新たな金融調節手段(オペレーション)の導入も決めた。具体的には、日銀が指定する利回りで国債を買い入れる指値オペのほか、固定金利による資金供給オペの期間を現行の1年から10年に大幅に拡大する。

こうした枠組みの修正は、今回の会合で行った黒田東彦総裁の下で導入された金融緩和策の「総括的な検証」に基づくもの。

検証では、大規模な金融緩和の導入から3年半が経過したにもかかわらず、物価が目標とする2%に達していない要因や、これまでのマイナス金利付きQQEの効果や影響などがまとめられた。

この中で、マイナス金利と長期国債買い入れの組み合わせによりイールドカーブ引き下げの効果と影響について、国債や貸出などの金利低下によって「金融環境は一段と緩和的になっている」と評価した。

過度なフラット化は金融機能持続に不安感もたらす

もっとも、イールドカーブ引き下げによる経済・物価への効果や金融面への影響に関して「経済への影響は中短期ゾーンの効果が相対的に大きい」とする一方、イールドカーブの過度なフラット化は金融機能の持続性に対する不安感をもたらし、「マインド面などを通じて経済活動に悪影響を及ぼす可能性がある」と副作用にも言及した。

物価2%を達成する上で不可欠な予想物価上昇率は、実際の物価上昇率に影響される要素が大きいとし、「時間がかかる可能性に留意が必要」と指摘。それだけに「フォワードルッキングな期待形成の役割が重要」と位置づけた。

量と期待の関係では、マネタリーベースの拡大が「予想物価上昇率の押し上げに寄与した」としながら、マネタリーベースと予想物価上昇率の関係は「長期的」として、「長期的な増加へのコミットメントが重要」と分析している。

 

(伊藤純夫 竹本能文 編集:山川薫)

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