日銀、金融政策の枠組みを大幅に修正 イールドカーブ・長期金利の目標を採用

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 9月21日、日銀は、20─21日の金融政策決定会合で、金融市場調節目標をこれまでのマネタリーベースから利回り曲線(イールドカーブ)に変更する金融政策の枠組みの大幅な修正を決定した。写真は日銀の看板、2014年1月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 21日 ロイター] - 日銀は、20─21日の金融政策決定会合で、金融市場調節目標をこれまでのマネタリーベースから利回り曲線(イールドカーブ)に変更する金融政策の枠組みの大幅な修正を決定した。短期金利の操作対象となるマイナス金利幅は現行の0.1%を今回は維持する一方、新たに長期金利(10年国債金利)がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買い入れを行う。長期国債の買い入れは、保有額が年間80兆円程度増加する現行ペースをめどとする。

マイナス金利0.1%維持、長期金利はゼロ%程度に誘導

金融政策運営の枠組みの量から金利への変更に伴い、これまでのマネタリーベースを年間80兆円増加させる目標を撤回した。もっとも、目標とする物価が実績として2%を超えるまで「マネタリーベースの拡大方針を継続する」との新たなコミットメントを導入。「あと1年強でマネタリーベースの対名目GDP(国内総生産)比率は100%(約500兆円)を超える見込み」と明記した。

新たな枠組みは「長短金利操作付き量的・質的金融緩和(QQE)」で、金融市場調節目標は短期金利と長期金利が対象になる。短期金利については、今回はマイナス金利幅を現行の0.1%に維持したが、長期金利は「10年物国債金利がおおむね現状程度(ゼロ%程度)で推移するよう、長期国債の買い入れを行う」。

国債買い入れ額は保有額が年間約80兆円増加する現行ペースをめどとするが、長期金利をゼロ%程度に維持する方針の下、買い入れ額は変動する可能性がある。今後、必要な場合は、マイナス金利のさらなる深掘りとともに、長期金利の操作目標を引き下げる追加緩和手段が軸になる。従来の資産買い入れやマネタリーベースの拡大も追加緩和手段として排除していない。

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