大和ハウス、コスモスイニシアをついに買収 首都圏強化でマンション4強に迫る

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4月16日に大阪で行われた記者会見の模様。大和ハウス工業の大野直竹社長(左)と、コスモスイニシアの高木嘉幸社長(右)。

住宅メーカー大手の大和ハウス工業が、以前から関係を深めていたマンション中堅のコスモスイニシアをついに子会社化する。

これにより、両社合わせた年間マンション販売戸数は4000戸を突破。戸建て住宅をはじめ、賃貸住宅や商業・事業施設と有力事業を多角的に抱える同社が、マンションでも業界大手4強の一角に食い込む形となる。

再生計画終了も、信用回復途上だったコスモスイニシア

大和ハウスは4月16日、コスモスイニシアを買収することを発表した。6月27日を払込予定日として、第三者割当増資を95億円で全額引き受ける。大和ハウスはコスモスイニシアの株式を保有割合で6割強取得し、連結子会社とする。

コスモスイニシアは旧社名がリクルートコスモス。リクルートグループで不動産事業を担ったが、2005年にMBO(経営陣による買収)によりリクルートグループから離れた。ただ、リーマンショック後の市況悪化で業績が悪化し、09年3月期には債務超過に転落。その後は事業再生ADRによる再生計画の下で再建を進めてきた。

この間、大和ハウスは09年9月に、コスモスイニシアからマンション管理事業子会社のコスモスライフを買収。併せて、コスモスイニシア本体との間でも、新規分譲マンション物件の共同開発を内容とした業務提携を進めると同時に、コスモスイニシアの優先株の一部を引き受けるなど、連携を深めた。

コスモスイニシアは、この3月には1008億円のADR対象債務を完済し、再生計画期間を終えていた。ただ、主要金融機関からの信用回復はまだ途上であり、仕入れ展開や新規投資のための資金調達が限定される状況にある。

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