大和ハウス、コスモスイニシアをついに買収

首都圏強化でマンション4強に迫る

また金融機関が保有する第1種優先株については、6月末から普通株式への転換請求権が発生する。大和ハウスが保有する優先株も含めて、すべてが普通株に転換された場合、現状での計算では約2100%の株式希薄化を招くリスクを抱えており、財務基盤強化が焦眉の急であった。

これに対して、今回の第三者割当増資による調達金は、ほぼ全額が金融機関保有の第1種優先株の買い取り、消却に充当される。つまり、大和ハウスが実質的に優先株を肩代わりすることになる。

大和ハウスの首都圏マンション強化戦略に合致

大和ハウスは、マンション事業において、最大市場である関東圏のウエイトが売り上げ構成の3分の1にとどまっており、「首都圏ブランドの強化」を戦略テーマに掲げている。一方のコスモスイニシアは、地盤の首都圏を中心とした用地取得などに強みを発揮している。

コスモスイニシアの買収により、大和ハウスは課題だった首都圏攻略に弾みをつけるほか、両社を併せたマンション供給戸数でも、大手4強の一角に迫る形となる。

なお、大和ハウスは、この1月に株式を取得したフジタをはじめ、過去の買収に当たっては、相手方の経営を尊重する姿勢を示している。今回のコスモスイニシアの買収においても、同社の人材を活用し、大証ジャスダック(スタンダード市場)への上場も維持する方針だ。

4月16日夕方から行われた記者会見には、大和ハウスの大野直竹社長、コスモスイニシアの高木嘉幸社長らが臨席。今回の第三者割当増資による資本業務提携の内容と、そのねらいについて説明した。質疑応答の要旨は以下のとおり。

首都圏強いコスモスイニシアとの提携でシナジー

――今回の提携の具体的な中身は何か。

大和ハウス・大野社長 大和ハウスのマンションは3分の1が関東圏、3分の2が関東圏以外。一方、コスモスイニシアは2012年で65%、2013年は87%が首都圏と非常に強い。

次ページむやみにスケールは求めない
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • ソロモンの時代―結婚しない人々の実像―
  • 本当に強い大学
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナ時代の勝者と敗者<br>不動産 熱狂の裏側

実体経済の悪化を尻目に、国内外から熱い視線が注がれる日本の不動産。業界の雰囲気とは対照的に、上場不動産会社の株価は軒並み軟調です。コロナ後の新常態で誰が笑い、誰が泣くのでしょうか。現場の最新情報を基に不動産市場の先行きを展望します。

東洋経済education×ICT