たとえば、創業数百年というある老舗食品会社は、「これまで離職者はほぼいなかったのに、昨年、期待して採用した新入社員の中から離職者が出ました。かつてないことで非常にショックでした」と、その取り組みのきっかけを語ります。
また、あるセールス系の企業は、これまで「適性がない、会社に合わない人の早期の入れ替えは前提」とした考え方に基づいて採用していました。しかし、少子化とそれに伴う採用戦線の激化、自社事業のさらなる持続成長などの観点から、「採用と定着を一貫させた人材ポリシー」を新たに策定したそうです。
私どもでは、新人の職場定着を支援・応援するツールとして、新人と職場の身近な人や人事の距離を縮め、互いがネット上でやりとりできるサービス『ReCoBook(レコブック)』を提供しています。
これまでに400社を超える企業に活用いただいていますが、なかにはこの導入後に、毎年離職が発生していたある店舗で離職が0になったという自動車販売会社もあります。要因の1つが、やりとりを通じて新入社員自身が、(自分を)見てくれている人の存在に気づけたことでした。
メンター制度など相談できる環境を整備
「ReCoBook(レコブック)に自分の疑問や悩みを書き込んでおけば、手が空いているときに見てもらえるので、口頭では質問しにくかったことも聞きやすい」「自分が書いた記事に『見たよ』マークがつくと、見てくれているという安心感があるし、モチベーションが上がる」などの声をお聞きしています。
このほか、配属先に年齢の近い先輩がいなければ、メンター制度を導入し相談できる環境を整えるなど、多くの企業がさまざまな取り組みで新人の成長をフォローしていこうとしています。入社後、悩むこともあるかもしれませんが、周囲に支えてくれている人がいることに気づいてほしいと思います。気づくことで早期離職を思いとどまり、成長意欲が高まるはずです。
入社前のみなさんにお伝えしたいことは、配属が決まった時点で急いで結論を出さないことです。就活期に「この会社でどうしたいか、どんな貢献ができるのか」を問われる中で、自分なりに突き詰めて考えた人も多いことと思います。
就活に真剣に取り組んだ人ほど、自分がイメージしていた配属先とは異なるものを告げられたら、戸惑うでしょうし、もしかしたら少し裏切られたような気持ちが芽生えてしまうかも知れません。「内定辞退」の文字が頭をよぎることだってあるでしょう。
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