優秀でも出世できない人が抑えられない感情 怒りを捨て「マインドフルネス」を取り入れよ

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③ 正当な怒りだと思っている

レストランやお店など、自分が客という立場にいるとき、または自分が上司や教員という強い立場にいるとき、このようなときに怒りが収まらなくなる人がいます。それは、自分のほうが上だという意識から、自分が優先されるべきであり、自分の怒りは正当だと思っていることが原因です。このパターンは、モラハラやパワハラに進展する危険性をはらんでいます。

Mさんが部下を持つようになったとたん、怒りの感情を露わにするようになったのは、上司という自分の立場が怒りを正当化させていたためだと言えるでしょう。

Mさんは、これらの代表的な3つのパターンを、すべて併せ持っていました。これはMさんが特に感情的であるからとか理性を失いやすいからというわけではありません。ストレスフルな現代社会においては、誰もがいつでも陥りやすい落とし穴なのです。

怒りの渦から逃れるためには

怒りのようなパワフルな感情にとらわれてしまうと、人はそこからなかなか抜け出すことができません。そんなとき、どうすればよいのでしょうか。その鍵を握るのがGoogleやインテルでも導入しているマインドフルネスです。自分の感情をニュートラルに戻すことこそが、ビジネスにおいても成果を挙げ、人間関係を円滑にし、認められていく最短の方法です。

怒りの感情から抜け出せないときは、自分の1次感情と向き合いましょう。といっても、不安、怖れ、悲しみといった1次感情を解消する必要はありません。ただ、「自分は怒っているんじゃない。本当は不安なんだ」「実は今、恐れているんだ」「悲しいんだ」と認めるだけでいいのです。1次感情自体が怒りの場合、「私は今、怒っているんだ」と認めましょう。

このように、“今ここ”の自分を客観的にとらえることにより、ニュートラルな自分に戻ることができます。というのも、怒りの渦中にいるときに、「今、自分は怒っている」と自覚することはできないのです。怒りを自覚した、つまり自分の感情を客観視したということは、感情の渦から抜け出し、状況を冷静に見つめているということになります。このニュートラルな状態をとらえることにより、怒りのヒートアップを回避することができるようになるのです。

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もちろん、最初のうちは、一瞬ニュートラルになれたとしても、すぐにまた怒りの感情がよみがえってくるかもしれません。でも、それに懲りず、何度もチャレンジしてみてください。これは、エクササイズみたいなもので、やればやるだけ上達し、どんどん簡単にできるようになっていきます。

一瞬のニュートラルを捉えることができるようになれば、感情の渦にのみこまれることはなくなり、徐々に穏やかな気持ちに収束していきます。

悩みや苦しみ、怒りの感情からなかなか抜け出せない時、一瞬だけで構いません、自分を客観的に見つめてみてください。一瞬のニュートラルが、あなたの感情をフラットな状態に導いてくれるでしょう。それがマインドフルネスであり、あなたの人生を好転させるカギなのです。

藤井 英雄 精神科医

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ふじい ひでお / Hideo Fujii

瞑想家、日本キネシオロジー総合学院顧問。瞑想歴40年。マインドフルネス瞑想歴25年。潜在意識の法則やマインドフルネス瞑想、認知行動療法、
さらには東洋医学、キネシオロジーなどを活用した画期的なメンタルヘルスプログラム「心のトリセツ流幸せの作り方」を開発。

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