優秀でも出世できない人が抑えられない感情 怒りを捨て「マインドフルネス」を取り入れよ

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なかなか収まらない怒りには、大きく3つのパターンがあります。

① 怒りが一次感情ではない

② 怒りの快感にはまっている

③ 正当な怒りだと思っている

という3つのパターンです。

① 怒りが1次感情ではないとき

部下の仕事が遅れていると知った時、Mさんの1次感情は怒りではないことが多いとわかりました。1次感情というのは、ある出来事が起こった時、真っ先に発生する感情のことです。

部下の仕事が遅れている
納期に間に合わなくなったらどうしよう(不安=1次感情)
何やってるんだ、早くしろ!(怒り=2次感情)

 

部下の仕事が遅れている
俺の指示はいつもないがしろにされるんだ(悲しみ=1次感情)
許さないぞ!(怒り=2次感情)

 

この場合、怒りの感情というのは、部下の仕事の遅れという出来事から直接起こったものではなく、不安や悲しみといった感情から引き起こされた2次感情なのです。これでは、いくら怒りを鎮めようと思っても、その原因になっている一次感情(不安、悲しみ)がなくならない限り、いつまでたっても怒りは収まりません。

怒りの快感にはまると、なかなか抜けられない

② 怒りの快感にはまっているとき

怒りは2次感情であるケースが非常に多くみられます。そして1次感情は、不安や怖れ、悲しみという感情であることが多い。不安や怖れ、悲しみを感じているときは、自分が無力な存在に思えてしまうものです。それに比べると、怒りというのは強く激しい感情です。

怒りをぶちまけると、周囲の人は恐怖を感じます。これはある意味、快感です。少なくとも、不安や悲しみでへこんでいるよりも、自分を強く大きく感じることができます。この快感があるために、そして、無力感から逃れるために、人は、不安や怖れ、悲しみという感情を、無自覚のうちに怒りに変えてしまうのです。

もともとあまり自己を主張することのなかったMさんですが、指導のために初めて部下を叱ったとき、自分が少し大きくなったように感じたそうです。たびたび部下を指導していくうちに、怒りの魔力に取り込まれてしまったのかもしれません。怒りの快感にはまると、なかなかそこから抜けられなくなります。というのも、2次感情の怒りから抜けると、1次感情である不安や怖れ、悲しみが待っているからです。

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