欧州車の興隆、アメ車の黄昏 そしてビッグ3は日本を“スルー”する

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米国車には日本で受け入れられる「エコ」という要素を満たした車がほとんどない。「1970年代までは輸入車のなかでは米国車が主流だったが、80年代以降は欧州車が覇権を握り続けている」(日本自動車輸入車組合)。

車格が大きく、小型車人気の高い日本では需要が限られる。また燃費性能も日系車や欧州車に比べ劣っていることもマイナスだ。エコカー減税対象車が充実しているわけでもない。そして、アメ車には高級車としてベンツやBMWのようなブランドイメージが定着していない。

ビッグ3にとって日本は特殊な市場

察するにビッグ3からすれば、日本は特殊な市場であって、そこで販売台数を稼ぐという考えは毛頭ないのだろう。昨年はエコカー補助金の効果もあり537万台の新車が売れたが日本市場だが、自動車分野の専門とするアナリストの大半は、「10年後には400万~500万台の市場になる」と予測している。

とすれば、わざわざ市場が縮小する日本市場に専用車を開発して投入するよりは、需要がのびる新興国で強みのピックアップトラックやSUV(スポーツ多目的車)を展開していったほうが、ビッグ3にとっては得策といえよう。日本における“アメ車”の黄昏は当分、続いていきそうだ。

(撮影:今井 康一)

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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