欧州車の興隆、アメ車の黄昏 そしてビッグ3は日本を“スルー”する
09年以降、輸入車のなかに占める米国車のシェアは5%程度で推移。日本の自動車市場におけるビッグ3の存在感は小さい。街でみかける輸入車といえば、独フォルクスワーゲン(VW)やメルセデス・ベンツ、BMW、アウディなど欧州車が中心だ。
「エコ」と「ブランド」で欧州車に見劣り
アメ車が冴えないのには2つの理由がある。キーワードは「エコ」と「ブランド」だ。
日本は今やエコカーやコンパクトカー隆盛の時代を迎えている。エコをキーワードに燃費が良く、維持費も安いクルマが求められているのだ。実際、12年度はトヨタ自動車のハイブリッド車(HV)「アクア」「プリウス」が車名別販売ランキングで、ワンツーフィニッシュを達成。ホンダ「N BOX」の快走に象徴されるように、“第3のエコカー“”といわれる軽自動車も好調な販売が続く。
一方、アメ車は車体サイズが大きく、相対的に燃費が良くない。エコという観点からすると対極に位置する。
一方、輸入車の主役となっている欧州車は世界中で環境規制が厳しくなる中、エンジン排気量を抑える流れが強まり、小排気量の車種が増加した。その結果、燃費性能が向上し、日本の消費者からも受け入れられるようになった。たとえば、12年の主力車種「ゴルフ」を販売するVW全体の販売におけるエコカー減税の対象車は92%に上る。これまでは日本車のお家芸でもあった燃費性能だが、欧州車も一定の燃費基準を達成する車が充実してきたことで、日系に対抗できるようになった。
また、長年の実績によりブランドを築いているベンツやBMW、アウディなどに比べると、アメ車は存在感が小さい。ベンツは13年初に同社がコンパクトクラスと位置づけるカテゴリに、新型「Aクラス」を発売、小排気量ながら内外装の高級感や走りの質感などを高めて、評価されている。ブランドを維持しながら車種を広げて、販売台数を伸ばす算段だ。
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