ライザップ「低糖質ピザ」は、どこが違うのか ピザハットがダイエットの敵の改造に挑戦
「おいしさの追求について妥協しない、というのが当社のモットーです。試食を重ね、商品として提供できるものを作り上げました。実際、”糖質を抑えたピザ”と言われなければ、普通のピザと変わらない味とボリューム感が実現できています」(原田部長)
「具体的には、生地にもちもち感を出すために、糖になりにくいデンプンを使用しています。また、糖質を少しでも抑えるために、糖質の低い野菜を用いるなどの工夫をしています」(石橋課長)
その味のほどは、反響の高さにも表れているかもしれない。8月22日の発売にかけては、特にテレビCMなどでの大々的な宣伝は行わなかったにもかかわらず、発売当日からかなりの反響があったという。具体的な売り上げは社外秘とのことだが、1店舗当たりの平均販売枚数が、いちばん人気の3品(キャンペーン中の「秋のグルメスター4」など)を合わせたものより少し劣る程度。取り扱いがある店舗については、そのほかの店舗に比べ数パーセントは売り上げが伸びている。しかも、発売後3週間経つ現時点でも、勢いは衰えていないそうだ。
恵比寿、神田といったオフィスの多い都市部を中心の6店舗に限定しての提供で、ランチ需要なども高い。ランチミーティングのために「ヘルシーだし、一人ひとりに配布できる」という理由で、注文を受けることが多いというのも意外なエピソードだ。また、近くの店舗で扱っていないため、わざわざ遠方からテイクアウトしていくお客もいるそうだ。
店舗の拡大や期間の延長についても検討
1人前サイズで1080円という価格は、実は相場からいえば少々高めだという。前述のように、ワンコインのピザも出る中、あえてこの価格を設定した。
「やはり、材料費などのコストがかかるということ。もうひとつは、ライザップさんとの協業により、価値をご提供できている。お客様も納得して購入いただいているという感触を得ています」(原田部長)
現時点でのキャンペーン期間は10月23日までだが、このように高い反響を得ることができたため、店舗の拡大や期間の延長についても前向きに検討しているところだ。
「ライザップの店舗がある地域への展開も、検討の余地があると考えています」(原田部長)
健康への意識はますます高まり、健康が絡むことに関しては、消費者の財布も緩む傾向がある。しかもピザという“ダイエットの敵”ともいえる食べ物と、これまた“結果にコミットする”を売り言葉にするライザップとの組み合わせは、思いがけないコラボレーションだ。今回の取り組みは横ばい状態のピザ市場に、小さいながら強いインパクトを与えるのではないだろうか。
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