「がん幹細胞」たたく新薬、15年度にも発売 世界で先行開発、大日本住友製薬社長に聞く
NHK報道もあり、がん幹細胞への注目度が急上昇
――開発の中心であるベンチャー企業、ボストン・バイオメディカル・インク(BBI)をどう発掘したのですか。
BBIのCEOをお願いしているチャン・リー氏は、かつてハーバード・メディカルスクールできわめて高名なパーディー教授のポスドク(ポストドクター)でした。当社の野口浩・副社長も教授に師事していた時期があり、同門として紹介されたのがきっかけです。その後、会社同士でお互いをよく知る時間を経て、買収に至ったわけです。
買収は昨年の4月です。その時点での計画どおりに進んでいます。
この薬の開発について、今年の1月にNHKのニュースで取り上げられてからは、いろいろな方から「多田さんのところは、がんの薬を開発されているようですね」と言われるようになりました。ホテルのドアマンからも、「実は私の父が……」という話になる。
それだけこの病というのが人類にとっては重大な病であり、そこへ切り込んだ薬は大いに人々のお役に立てる、そういう気持ちで開発に取り組んでいます。
――開発状況と発売の目標は? また、開発の進み具合やデータをどう開示していきますか。
発売は米国で2015年度、日本で16年度が目標
フェーズ3(臨床試験の最終段階で、実際の患者を対象に大規模に行われる)を開始しました。既存の薬剤では効果が示されない患者さんを対象とした薬の投与を準備中です。発売時期については、米国では2015年度、日本では16年度の上市が目標となります。
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