弱者の兵法:英語下手が英語圏で勝ち抜く策
MITの試行錯誤で見つけた、英語力の磨き方(上)

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3.完全一致検索を使い適切な表現を見つける

単語の組み合わせが自然か不自然かは、理屈ではなく、感覚の問題である場合が多い。

たとえば、「問題を解決する」を英語で言うと “solve a problem”である。一方で、issueという単語も「問題」という意味を持つから、“solve an issue”としてよいかというと、間違いではないが、なんだか不自然な気がする。しかし、“address an issue”と言えば自然に聞こえる。

アメリカ人なら、これが「感覚」でわかる。しかし、そもそも何が自然で何が不自然かについて「感覚」以上の理由はないから、僕のようなネイティブではない人間には手に負えない。

「solve a problem」か、「 solve an issue」か

そこで、僕はGoogle検索を使っている。要するに、ある語の組み合わせを検索し、ヒット件数が多ければ、それは「自然な」組み合わせであると判断するのだ。

だが、単にsolve a problemと検索すると、solveとproblemを離れた位置に含む文章がすべてヒットしてしまう。これでは意味がない。

この問題は完全一致検索で解決できる。つまり、フレーズを引用符「“ … ”」で囲って検索するのだ。こうすると、一連の単語がそのままの並びで使われている文章のみがヒットする。

たとえば、“solve a problem”をGoogleで完全一致検索すると、以下のように、5450万件ものヒットがある。もちろんこれは自然な言い回しである。

次に、“solve an issue”を完全一致検索してみる。約120万件のヒットがあるので、決して間違っている用法ではなさそうだが、先と比べてヒット件数はかなり減った。

最後に、“address an issue”を完全一致検索してみる。すると約350万件のヒットがある。これにより、“solve an issue”よりもこちらのほうが自然な用法であることが分かる。

もちろん、この方法は絶対ではない。何件のヒットがあれば大丈夫だという閾値もない。また、専門的な文語よりも大衆的な口語のほうが多くヒットする傾向があるので注意が必要だ。だが、今回の例のように、類似するいくつかのフレーズのどれが相対的に「自然」かを知る助けとするには、よい方法である。

※ 続きは4月12日(金)に掲載します

<セミナーのお知らせ>

当連載の筆者である小野雅裕氏のセミナーを、4月22日(月)の19時より六本木のアカデミーヒルズで開催いたします。ぜひ皆様、奮ってお申し込みください。詳細はこちら

小野 雅裕 NASAジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)技術者

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おの まさひろ

1982年大阪府生まれ。2005年東京大学工学部航空宇宙工学科卒業。2012年マサチューセッツ工科大学(MIT)航空宇宙工学科博士課程および同技術政策プログラム修士課程修了。2012年より慶應義塾大学理工学部助教。2013年より現職。火星ローバー・パーサヴィアランスの自動運転ソフトウェアの開発や地上管制に携わるほか、将来の宇宙探査機の自律化に向けたさまざまな研究を行なっている。阪神ファン。好物はたくあん。主な著書は、『宇宙を目指して海を渡る』(東洋経済新報社)。

ブログ: onomasahiro.net/
Twitter: @masahiro_ono

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