「和牛と国産牛」本当の違いを知っていますか ブランド牛ですら明確な定義はない

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・米沢牛

飼育者は、置賜3市5町に居住し米沢牛銘柄推進協議会が認定した者で、登録された牛舎での飼育期間が最も長いものとする。肉牛の種類は、黒毛和種の未経産雌牛とする。

1. 米沢牛枝肉市場若しくは東京食肉中央卸売市場に上場されたもの又は米沢市食肉センターで屠畜され、公益社団法人日本食肉格付協会の格付けを受けた枝肉とする。但し、米沢牛銘柄推進協議会長が認めた共進会、共励会又は研究会に地区を代表して出品したものも同等の扱いとする。また、輸出用は米沢牛銘柄推進協議会が認めたと畜場とする

2. 生後月齢32カ月以上のもので公益社団法人日本食肉格付協会が定める3等級以上の外観並びに肉質及び脂質が優れている枝肉とする

3. 山形県の放射性物質全頭検査において放射性物質が「不検出」であるものとする(米沢牛銘柄推進協議会)

定義の方法に規則や基準があるわけではない

こうしてみると、「4大ブランド」といわれるブランド牛ですら、定義の方法に規則や基準があるわけではないことがわかる。肥育農家の肥育日数から条件をつけるブランドもあれば、屠畜後の枝肉の評価までブランド銘を冠するかわからないものもある。それぞれのブランドが、「それぞれの『理想とする牛のありかた』にどれだけ近いか」でその牛の価値を決めるのである。

ちなみに、「ブランド牛」の定義を見ると、お肉のおいしさを決める条件「血統×月齢×飼料」のうち、血統と月齢にはある程度規定があるものの、飼料については厳格な規定がないことがわかる。地域によっては「組合指定の飼料を与えること」というところもあるが、それはベースとなる飼料を指定しているだけに過ぎない。おいしいお肉を作るためにはそれらのベースとなる飼料に加え、発育の各段階で必要な栄養素を含んだ飼料を配合していくことが定説とされているのだが、それに関する規定はない。

つまり、同じブランドの牛だとしても、肥育生産者によって飼料の配合はまちまちであり、お肉の質や味には差が生じてしまう。さらに言えば日本に流通する粗飼料と穀物飼料の総自給率は28%、つまり大半を輸入されたものによってまかなっている(2016年度農林水産省データ)。

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