ハーバードで瓦解した「今までの価値観」 恋愛にキャリアに生き急ぐ、ハーバード女性たち
「他流試合」のススメ
加えて、時間軸という考え方が圧倒的に欠落していました。女性のロールモデルのない組織の中で、女性プロフェッショナルのキャリアの時間軸など、考えたこともなかったのです。
私の場合には、三菱商事が本当に好きで、帰属していることに誇りも持っていたし、上司や先輩を心から尊敬していたからこそ、既存のロールモデル、三菱商事の求める優等生への重度の過剰適応に陥っていたのではないかと思います。
海外、それもHBSという熾烈な環境への留学という荒療治的な他流試合によって、初めて自分の視野が広がり、自分の求める価値観とは何か、ということをリアルに考える機会を得たと言えるでしょう。
「もしかしたら優等生の罠にハマっているかも」と思い当たる方には、「他流試合」をぜひオススメします。留学、転職、という荒療治まではいかなくても、お客様企業の人や、大学のゼミの同級生との「他流試合」的交流を通じて、自分の能力や意思の客観評価をすることをオススメします。
時間は不可逆なので、「遠回りの罠」に陥っていることに後から気がついても、体の機能の取り戻しや、市場価値の急激な巻き返しは、非常に難しいのがリアリティだと思います。
早回しのキャリアが必要な女性にとっては、キャリアの早めの時点、例えば入社5〜10年目程度で、さまざまなレベルの他流試合をして、自信と自身(能力、キャリアの方向性)の客観評価をすること、そして自らの意思で「選んだ」仕事に邁進することが重要ではないか、と思う次第です。
(構成:長山清子)
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