あえて「中規模」を狙う新興メディアの戦略 ブレイキング・メディアはBtoBに特化

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小規模な職能集団を対象にサービスを提供するメリットとは(撮影:梅谷秀司)

デジタルパブリッシング業界は、最大手のみが生き残れるエコシステムのように見えるかもしれない。だが、誰もがひたすら規模を追い求めているわけではない。実際、一部のパブリッシャーは、中規模のままでいることを望んでさえいる。

2016年8月1日、「ザ・バージ」の共同創設者ジョシュア・トポルスキー氏が、ニュースサイト「アウトライン」を立ち上げることを明らかにした。「ウォールストリート・ジャーナル」によると、この新しいサイトは1000万人から1500万人のオーディエンスにリーチすることを目指すという。

この話を念頭に置きながら、あえて中規模を維持することで生き残りを図るデジタルパブリッシャーに注目してみよう。

ブレイキング・メディアという企業

紹介するのは、7つのメディアを運営するメディアネットワーク企業、ブレイキング・メディアだ。通常、一般消費者向けのWebサイトであればユーザー1億人を視野に入れることも可能だが、BtoBサイトとなると、その10分の1を狙うことさえ厳しい。

そうしたなかブレイキング・メディアは、中規模のコミュニティをターゲットにして、利益を上げ続けている。現在ブルームバーグ・メディアでCEOを務めるジャスティン・スミス氏と、カーター・バーデン(3世)氏が約10年前に共同で創業した同社。法律、ファッション、金融、医療、防衛、エネルギー、行政部門で働く人々を、それぞれ対象にした7つのサイトを運営しており、利益を上げながら着実に成長している。

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