テンプHD、大型M&Aで王者リクルート追う 人材サービス大手、インテリジェンス買収の狙い

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インテリジェンスホールディングスの高橋広敏社長

テンプは12年にはパナソニックのデジタルAV商品の設計開発会社、11年には日本経済新聞や神戸製鋼所の人材派遣子会社などを買収してきたが、インテリジェンスの買収はこれまでとは金額のケタが違う。それでも踏み切ったのは、「最大のリスクはインテリジェンスが同業者と一緒になること。総合的な人材サービスを提供する上で、インテリジェンスと一緒になるのはラストチャンス」(水田副社長)と思い定めたからである。

買収金額は多額だが、高すぎる買い物ではない。インテリジェンスの前期の純利益は4億円しかないが、特別損失がかさんだため。インテリの13年3月期の営業利益予想は75億円。経常利益では60億円程度となる。毎期一定の特別損失はあっても大きな金額は出ないとみられるため、純益は30億~35億円は見込める。PER(株価収益率)は15~17倍で、プレミアムを考慮すればほぼリーズナブルといえそうだ。

リクルート同様の総合人材サービスを展開

事業面での組み合わせもよさそうだ。人材派遣が主力のテンプが、「DODA(デューダ)」ブランドの人材紹介と「an」など求人メディアに強みを持つインテリジェンスを手に入れたことで、リクルートと同様、本当の意味での総合人材サービスを展開できる。

買収する企業の時価評価純資産と買収価額の差である「のれん(営業権)」は、約400億円となる見込みで、20年償却なら年間20億円の負担となる。「相乗効果で相殺できる」という水田副社長の言葉どおりなら、テンプHDの今後の決算にはインテリジェンスの営業利益がほぼそのまま乗っかる格好だ。これまでもテンプは買収先の貢献はかなり保守的に見込んでおり、今回もそれほど希望的観測は入れていないだろう。

400億円程度の純キャッシュを誇るテンプだが、今回の買収でさすがに有利子負債は膨らむ。ただ、「最適な調達を考えている」(佐分紀夫常務)と、一定期間では増資などを検討することもありそうだ。

(撮影:梅谷 秀司)

山田 雄大 東洋経済 コラムニスト

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やまだ たけひろ / Takehiro Yamada

1971年生まれ。1994年、上智大学経済学部卒、東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部に在籍したこともあるが、記者生活の大半は業界担当の現場記者。情報通信やインターネット、電機、自動車、鉄鋼業界などを担当。日本証券アナリスト協会検定会員。2006年には同期の山田雄一郎記者との共著『トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇』(東洋経済新報社)を著す。社内に山田姓が多いため「たけひろ」ではなく「ゆうだい」と呼ばれる。

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