テンプHD、大型M&Aで王者リクルート追う 人材サービス大手、インテリジェンス買収の狙い
KKRジャパンの簑田秀策社長は会見後に「大変なリターン。大変なサクセスストーリー。投資家に胸を張って言える。それもグリーディ(強欲)に儲ければいいや、とやったのではなく、非常に全員がハッピーになった」と笑顔で語った。
KKRは今回、自社の保有株全株を500億円で売却することに成功した。325億円は借入金でレバレッジをかけており、KKRの自己資本は30%、約100億円程度と推測される。必要経費を勘案しても3年弱で数倍になった計算で、確かに大変な成功といえるだろう。
一方のインテリジェンス側に立つと、いずれはKKRから卒業を果たさなければならない中で、再上場や他社への身売りなどさまざまなシナリオを描き、KKRと協議してきた。その中で“本命”と定めたのがテンプだった。
業界会合がM&Aのきっかけ
テンプとの交渉は、昨年春先に行われた業界の会合の2次会で、高橋社長がテンプの水田正道副社長を「もう一軒、行きませんか」と誘ったことから始まった。銀座で鍋をつつきながら「ウチ(インテリジェンス)に興味はないでしょうか」と逆プロポーズをしたという。
インテリジェンスを買えるだけの財務力を持つのは、国内の同業ではリクルートとテンプしか見当たらない。それ以外は国内の他業種、海外の同業といった選択肢もあったようだが、事業ポートフォリオの補完関係などを考えると、確かにテンプがベストといえそうだ。 「大変重たい意思決定。社内でいろいろなリスクを検討した」(水田副社長)との言葉通り、テンプにとっては大きな決断となった。
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