デキる男は「白パン」をここまで履きこなす マンネリ打開のカギは「配色の逆転」にあり

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白いチノパンを導入することの意味は、バリエーションを増やしただけにとどまりません。ネイビーをはじめとしたダークカラーシャツを、ビジネスファッションに投入するキッカケになったのです。白にダークカラーシャツを合わせることで生まれる強烈なコントラストそのものが、力強い印象を生むという事実にお気づきでしょうか?

ジョン・F・ケネディのイメージ戦略

コントラストによる印象の力強さを証明する逸話が、1960年のアメリカ大統領選の演説にありました。当時現職の副大統領として支持率をリードしていたニクソンに打ち勝つため、ジョン・F・ケネディはイメージ戦略を活用したといわれています。

色が濃いスーツ・ネクタイに、明るい色のシャツを着ていたケネディは、服装のコントラストの強さによって力強く見えたそうです。一方、色が薄いスーツ・ネクタイに、明るいシャツを着ていたニクソンは、モノクロテレビに映ったコントラストの弱さから頼りない雰囲気を感じさせてしまったといわれています。

現代のビジネスファッションにおける定番、ネイビージャケットとグレースラックス以上に強いコントラストを発揮する、「ネイビージャケットと白パン」という組み合わせは、もはや定番といえるかもしれません。

それまでの白パンは、暑い夏に涼しそうな印象を与える春夏商品という認識でした。しかし、アパレル業界No.1のユニクロでは、2015年秋冬ラインナップとして、スリムフィットコーデュロイパンツと防寒機能性パンツ「暖パン」に、白色を投入。また、季節を問わず発売しているスリムフィットチノの白色は、現在も店舗にて販売され続けています。

季節商品だった白パンが、年中購入できることで、定番カジュアルのみならず、ウォームビズのジャケパンにも白パンが応用されはじめたのです。では、ビジネスファッションに白パンを取り入れるコツを教えます。

白パンの魅力は何といっても合わせる色のイメージを最大限引き出すところにあります。まるで、絵画のキャンバスと同じく、塗った色がきれいに映えるように、白パンに合わせた色のイメージを具体的に引き出してくれるのです。だからこそ、ビジネスファッションにて、白パンを黒シャツで合わせることはご注意ください!

黒いシャツに白パンを合わせる場合、黒シャツがもっている「夜のイメージ」を白パンが引き出してしまうリスクがあるのです。一方、同じダークカラーであっても、ネイビーシャツに白パンであれば、さわやかなマリンテイストを連想させます。

また、白パンと相性が良いシャツは、必ずしもネイビーのようなダークカラーだけではありません。ブルー・ピンクなど、カラーシャツとも相性抜群です。その色が持つイメージをきれいに反映してくれます。

ウォームビズであれば、ブルー・ピンクなどのカラーシャツに、ネイビー・チャコールグレーなど濃い色のジャケットを合わせることで印象が引き締まるでしょう。また、シャツとは異なる色物のニットを加えることで、より華やかな印象を演出することも可能です。

森井 良行 ビジネスマンのためのスタイリスト

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もりい よしゆき / Yoshiyuki Morii

その違和感を、言葉で可視化する。著書『38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)など5冊。MENSA会員。

公式サイト「エレカジ」(https://www.elegant-casual.com/cases)では、80件を超えるコーディネート事例を公開。

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