途上国のヘルスケアに日本は貢献できる 国連の「持続可能な開発目標」でも推進役

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Magdy Martinez Soliman/ 国連事務次長補、国連開発計画(UNDP)総裁補兼政策プログラム支援局長 。スペイン出身の法律家。1998年UNDPバングラデシュ政府機構強化プロジェクト国際議会専門家就任。2001年UNDP西アフリカ、03年UNDP開発政策局、06年国連民主主義基金(UNDF)エグゼクティブ・ディレクター。07年メキシコ国連常駐調整官、12年UNDP開発政策局副局長等を経て現職。

――解決しなければならない課題には、どんなものがありますか。

非感染疾病の問題やHIVの対策がまだ十分ではありません。また、非健康的な環境や労働によって亡くなる人も多い。健康問題にも2通りあり、栄養失調の問題だけでなく肥満など、非健康的な生活習慣による問題もあります。

次に、医薬品コストの問題があります。とくにがんや希少疾病の治療薬は高額に設定されていて、すべての人に届けるというわけには行かない状況です。さらに、薬剤耐性菌の問題も、これから食い止めていかなければならない問題です。

医薬品価格を下げていくには政治の力が必要

こういった問題を解決するために、日本政府とは、医薬品価格と新薬開発の2分野で緊密に連携しています。特に新薬開発については、公的機関の資金投入だけでなく民間企業の資金力も重要になります。医薬品の開発には莫大な費用と時間がかかりますし、民間のアイデアなしには新しいものはできません。 

また、医薬品価格を下げていくためには政治的な意志の力も必要です。必要な人に必要な医薬品が入手しやすいようにしていかなければなりません。このためにはG8とのパートナーシップが重要になります。

食糧安全保障の問題、とくに子どもの栄養政策の支援は重要な問題です。また、健康的な食生活の習慣のための支援も行っています。依存症、砂糖の入った飲み物はよくないなどの食習慣に関する啓蒙活動も行っています。

また、疾病に関する社会的な差別をなくすことも必要です。病気になることによって職を失うばかりでなく社会的な差別も受けることによって、貧困から抜け出せなくなっていく状況を止める必要があります。

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