ところがインターンシップの潮目が変わった2015年度から減少し、2016年度では2割強にとどまっています。替わって増加したのが「1日」の実施。2014年度の2割程度から2016年度では35%超に増えています。業種別では「1日」が多いのは流通業とサービス・情報業で、いずれも4割程度。「2週間以上」の割合が相対的に多いのは製造業で約16%です。
具体的な内容についても見てみましょう。『就職白書2016』でインターンシップ実施企業にプログラム内容を尋ねた調査結果によると、2015年度で最も多かったのは「通常業務でなく別の課題やプロジェクト」で53.1%。2013年度調査と比較すると13.2ポイント増となっており、このスタイルが近年一気に広がっていることが確認できます。
反対に、2013年度で最多だった「社員の補助的な業務の一部」は、35.2%(同14.3ポイント減)と縮小傾向。その一方で「社員の基幹的な業務の一部」とする企業も21.6%あり、さわりを体験する比較的簡易なものから、社員さながらに業務に携わるヘビーなものまで、さまざまあることもわかります。
採用直結を目的としたインターンは意外と少ない
このように学生と企業、双方の意欲が高まっているインターンシップですが、それぞれどんな目的で取り組んでいるのでしょうか。
まず企業から見てみましょう。2016年調査では「仕事を通じて、学生に自社を含め、業界・仕事の理解を促進させる」が85.5%でトップ。一方、2012年調査時に第1位だった「学生に就業体験の機会を提供することで、社会貢献する」は4年で17.4ポイント減の58.4%でした。「採用に直結したものとして実施」はわずか6.8%であり、前年の7.1%からむしろ下がっています。
一方、学生の参加目的は、「仕事理解」が67.0%、「業種理解」が63.4%。これらは、「内定獲得(採用直結)」9.6%、「大学カリキュラムの単位取得」7.8%と比較すると、圧倒的に高いことがわかります。
また、学生がインターンシップ先を選ぶ際に重視したことは、「業種」56.8%、「インターン内容」46.6%、「職種」37.3%、「日程・期間」31.5%であり、それらに比べ「採用選考に直結するかどうか」は6.8%と小さいのです。
このように、就職/採用そのものを当初からの目的とした参加/実施は限定的なのですが、結果的に就職/採用に結び付いた割合となると、もう少し大きくなります。
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