ホンダ「NSX」は超高級車として通用するのか

10年ぶり復活したスーパーカーの実力と価値

初代「NSX」

しかしNSXは、3モーター・ハイブリッドの考え方はレジェンドに似るものの、V6エンジンはバンク角から異なる新設計だ。ボディはオールアルミ製モノコックだった初代の思想を受け継ぎ、押し出しアルミを主体としつつ異なる素材を組み合わせてスペースフレームを構築した。GT-Rより専用設計の部分が多い。2倍以上の価格が納得できる。

しかもNSXにはハイブリッドという、ほかの2台が持ちえない大きな付加価値がある。環境規制の強化にともない、スポーツカーやスーパーカーでもこの面への配慮が求められるが、同等の性能を持つスーパーカーでこの分野に挑戦したのは、NSXが初めてだ。価格以上の価値がある挑戦であり、GT-Rや911に対するアピールになるはずだ。

高級車にとって大切なファクターのひとつである快適性はどうか。今のスーパーカーは誰でも運転できることも重要な性能の一部だからだ。

この点について新型NSXは問題ないだろう。「緊張ではない。解放するスポーツだ」という当時のキャッチコピーとともに、スーパーカーに扱いやすさを盛り込んだ最初の1台が初代NSXだったからだ。その方向性はライバルに衝撃を与えた。フェラーリはパワーステアリングや2ペダルトランスミッションを備えたF355を送り出し、ポルシェは911を水冷エンジンと大型化したボディを持つ新型にスイッチした。

高級車はすべてがスーパーでなければいけない

ただし高級車では、機能面だけではなく、感覚面も重要になる。たとえば仕立てだ。8月25日に発表された日本仕様は、この点で不満に感じる部分もあった。ボディカラーは8種類で、内訳は無彩色系5色、赤2色と青という無難なラインナップ。インテリアカラーは7種類から選べるが、うち3種類は黒の素材違いで、残りも白、茶、赤という定番の配色だった。

筆者は取材で何度か、2000万円クラスのスーパーカーやセダンを取材してきた。多くのクルマが、ボディやインテリアのカラーコーディネートを自由に選択できた。ライバルとは異なる色合いで、ブランドイメージを上手に表現している車種が多かった。

GT-Rは価格帯が違うのでそこまでの用意はないものの、プレミアムエディションやトラックエディションなど方向性が異なる複数の仕立てを用意しており、ユーザーのニーズに応えている。

新型NSXの動力性能はたしかにハイレベルだし、環境性能もこのクラスのスーパーカーとしては群を抜いている。でもそういったスペックだけで推し量れないモノサシが、このクラスでは重要になる。

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