日経平均は「1万8000円突破」の可能性がある

上昇相場が短命に終わる危険性は消えず

ただし、上昇相場の持続性については、依然警戒が必要だ。特に、中国危機は一段と見えない形で進行しており、その爆発の可能性はあり得る。

中国経済の現状は「歪んだ成長」と形容できる。「成長の3つのエンジン」の状況は、いずれも深刻である。

「3つのエンジン」とは、輸出、投資、消費だ。一つずつ見ていこう。まず輸出は、年初来、前年比4%台の減少が続いており、今や牽引車どころか経済成長の足を引っ張っている。

次に、投資(固定資産投資)は減速しており、今年1~7月には前年同期比で約8%増まで低下した。

しかもその中身は民間企業投資が2%増と完全に失速、昨年来の金融緩和で一時的にプラスに浮上した不動産投資も、再度減速トレンドだ(7月は5%増と反発した)。公共投資だけが20%増との高ペースだったが、それも息切れ気味となっている。つまり、投資が全分野で完全失速する場面が近づいている。

最後に消費である。小売売上高は、前年比で10%増と比較的堅調だが、これは減税と金融緩和による自動車消費の「上げ底効果」が効いているためだ。減税効果が一巡する来年にはこの効果もなくなる。

中国経済の「小康状態」はせいぜい半年~1年か

一方で、財政拡大とともに、野放図ともいえる金融緩和が続いている。最も流動性の高い資産試算で見た通貨供給量(M1)は、前年比25%増とハイペースだ。だが、長期預金などを含むM2は前年比12%増、家計預金については前年比9%増となっており、中央銀行の信用の急拡大が、広範なマネー成長に結び付いていない状態だ。

ひとことでいえば、金融緩和効果は、住宅バブルを押し上げていること以外には、空回りであることを示している。

このように、歪んだ成長、超金融緩和と財政出動により失速を免れている今の中国経済の小康状態の持続時間は、せいぜい半年、長くても1年以内ではないか。

もし、中国失速が再度顕在化すれば、資本流出・資本逃避の再発(⇒外貨準備の再急減)と人民元の下落加速が始まる。それは、再び世界をリスクオフの流れに引き戻す可能性があることを、念頭に置いておくべきである。

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