第一生命が挑んだ、一般職女性の意識改革 ダイバーシティ先進企業は、甘くない

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しかし、それぞれの部署に閉じこもったビジネス価値は内向き目線に陥りがちだ。そこで新人事制度がスタートする1年前の2008年から「社内トレーニー制度」を導入した。これは他部署の業務を体験する1週間ほどの短期留学制度だ。

どの企業でも支店の事務職は「本社はどうしてわかってくれないのか」などと文句を言うことが多い。そこで他部署を経験させて、スキル・視野を広げることで自部署業務の改善ポイントに気づくこともある。この社内トレーニー制度は定着しており、2011年度は1200人が経験した。

「社内トレーニー制度」をさらに発展させ、2010年度からは「社外トレーニー制度」をスタートさせた。他企業の女性社員の働き方をじかに見て経験し、気づきを得る。これまで大手百貨店、輸送業、サービス業など親しい企業に協力してもらって実施してきた。

2011年度の「社外トレーニー制度」経験者は104人で、公募したうえで選抜し、協力企業に迷惑をかけることがないように気をつけている。

――ダイバーシティという考え方は1980年代までの企業には存在せず、往々にして年配の管理職が浸透への障害になっています。第一生命ではどのようにして障害をクリアされましたか?

社長以下の全役員と、84支社および本社の82部署からダイバーシティ推進責任者とダイバーシティ推進者が参加し、半日かけて成果を報告するダイバーシティ推進大会を2010年から開いている。2010年の参加者は400人、2011年と2012年の参加者は450人。大規模な大会だ。

ダイバーシティのような施策はトップが旗を振らないとマネジャークラスに浸透しない。第一生命ではトップがダイバーシティを経営の基幹に据えており、これがマネジャークラスへの浸透のうえでカギとなった。

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