第一生命が挑んだ、一般職女性の意識改革 ダイバーシティ先進企業は、甘くない

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そして研究をしてみると生保業界はまさにサービス業だと気づき、ほかのサービス業が行っている人材育成の方法も参考にしている。そして人事制度を一新したのが20097月だった。

意識改革が進む仕組み

――どのような人事制度に移行したのでしょうか?

第一生命の職種は営業職員と内勤職員に分かれているが、このうち内勤職員は20096月まではさらに総合職と一般職に分かれ、一般職の大部分は女性だった。7月にこれらの職掌を統合して基幹職とした。基幹職はグローバル職とエリア職に分けたが、付与する職務範囲は同一とした。

この人事制度は職掌を統合するだけでなく、評価制度と給与制度の改定も含む大掛かりなもので、準備は2007年から始まり、労働組合との調整は20088月から始まった。

職掌統合を行った理由は、ともすれば一般職の女性は「今のままでいい」と現状の維持・是認の風潮が強かったからだ。しかし先ほど話したように生保業界を取り巻く環境は厳しく、一人ひとりの職員の能力が高まっていかないと強い企業になれない。そのために職員の意識改革が進む仕組みを作ったのだ。

――営業職員と内勤職員の数、その女性比率を教えてください。また意識改革の方法もお話しください。

20123月期の営業職員は43948人であり、その97.0%が女性だ。グローバル職は3755人、エリア職は5085人であり、その60.3%が女性だ。女性の大半は従来一般職として、事務・サポート業務に就いていたので、職掌を統合して職務範囲を同一にするとなれば、女性に対する施策が決定的に重要になる。

意識改革の方法はいくつもある。まず制度面から話すと、各部署の管理職の代表を「ダイバーシティ推進責任者」、各部署の女性役付の代表を「ダイバーシティ推進者」として任命した。

そして、ほとんどが女性であるエリア職員本人に対する意識改革を、人事制度とリンクした形で導入した。具体的には、期初の人事面談でエリア職員と上司が、ダイバーシティ推進の取り組み方針に基づいたビジネス価値の創造につながる職務課題を設定する。そしてエリア職員は自分の人事調査表に入力する。その後の中間面談、期末面談で上司はエリア職員をフォローし、人事評価・給与などに反映させるという仕組みだ。

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