第一生命が挑んだ、一般職女性の意識改革 ダイバーシティ先進企業は、甘くない
――いかなる人事施策も実践するだけでは意味がありません。ダイバーシティ施策の具体的な効果をお聞かせください。
先ほど話したように、期初にエリア職は業務目標を設定する。目標の設定レベルを「点検・フォローのレベル1」「改善・品質向上のレベル2」「コスト効率・生産性向上のレベル3」に区分すると、新制度を導入した2009年度の目標レベルは低く、レベル1が82.6%と大部分を占め、レベル2は14.7%、レベル3は2.7%と、皆無に近かった。
ところが2012年度のレベル1は28.5%、レベル2が45.2%、レベル3は26.3%と非常に高いレベルに変わった。エリア職の戦力化が着実に進んでいることがわかる。
また、「上位職位登用を希望する」と回答した女性職員比率も上がっており、2008年度は28.7%だったが、2011年度は42.7%になった。意識が変わったのだ。弊社にはキャリアチャレンジ制度があるが、実際に社内トレーニー経験先へのキャリア変更事例も増えている。
エリア職員でお客さまと直接接点を持つ者(営業担当者)も増えており、2008年度の238人から2012年度には710人になった。
労働総時間短縮に取り組む
――女性が働き続けるためにはワーク・ライフ・バランス施策が欠かせません。取り組みについて教えてください。
まず全社目標として、業務効率化による総労働時間短縮に取り組んでいる。2011年度実績で言えば、第一生命の月間平均残業時間は5.0時間であり、金融・保険業の平均15.0時間の3分の1だ。
また2012年4月からは育児・介護を行っている職員、長い通勤時間の職員が柔軟に在宅勤務できる制度も導入した。
妊娠から出産までの期間、子育て支援、介護への支援は「ファミリー・フレンドリー制度」として充実させており、産前・産後休暇期間中の給与を全額支払い、育児休業については最長25カ月まで取得可能だ。
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