ハゲタカがTOB 遠のく西武の再上場 対立は泥沼化。サーベラスは強硬手段で打開図る

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地獄の番犬の名を冠したハゲタカの雄が攻勢に出た。

3月11日、米投資ファンド・サーベラスは西武鉄道やプリンスホテルを傘下に持つ西武ホールディングス(HD)に対して、1株1400円で株式の公開買い付け(TOB)を行うと発表した。サーベラスは6月の定時株主総会で、元金融庁長官の五味廣文氏、元日本郵政公社総裁の生田正治氏ら3人を取締役として推薦することも表明した。

有価証券報告書の虚偽記載で西武鉄道が上場廃止となったのは2004年12月。持ち株会社として再出発する過程で、約1040億円を出資したサーベラスは、西武の32.42%を保有する筆頭株主になっていた。

買い付け株数の上限は4%。サーベラスは「現経営陣との協力体制をより緊密にしたい。経営支配が目的ではなく、コミットメントの証し」と友好姿勢を強調する。西武は「事前に同意しているものではありません」と不快感をにおわせつつ、正式な意見表明は行っていない。

西武は12年中の上場を目指し、昨年5月には東京証券取引所への予備申請までこぎ着けた。しかし、サーベラスとの資本業務提携が「特定株主に有利な契約は申請前に解消されている原則」(東証)と上場審査のネックとなった。この契約解消をめぐって西武とサーベラスの関係がぎくしゃくし始める。

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