人間では「絶対勝てない」投資ロボのスゴさ

人工知能が金融を激変させる

人工知能が金融の世界に大きな影響を与える(写真:Rawpixel / PIXTA)
世界最高峰の囲碁棋士を負かしたり、自動車の自動運転技術の目処が立つなど、今、人工知能(AI)が社会に大きな変化をもたらそうとしている。そして、人工知能がいちばん早く、いちばん大きなインパクトを与えると言われているのが金融の世界だ。
金融の世界では、すでに有名ヘッジファンドが人工知能の活用に本気で取り組み始めている。これが一般投資家にどのような未来をもたらすのか。ソニー銀行の設立メンバーで、金融市場の実態とそこで使われるテクノロジーを熟知し、『人工知能が金融を支配する日』を上梓した櫻井豊氏に解説してもらった。

人間による運用に見切りをつけたカリスマ投資家

人工知能(AI)の進歩に「もっとも早く、もっとも大きな影響を受ける」業界と言われる金融業界の現状と未来を喝破する。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

ここ数年、ヘッジファンドがディープラーニング(深層学習)などの最新の人工知能(AI)に関するトップ級の技術者を引き抜く動きが活発化している。つい先日も、伝説的な投資家のひとりであるポール・チューダー・ジョーンズが率いるヘッジファンドが、これまでの手法から方向転換し、人工知能の専門家などを雇い入れて、機械学習によるビッグデータ分析などを利用した新しい取引スタイルを模索しはじめたと報道された。

ジョーンズは比類ない勘と迅速な行動力を持つ投資家であり、1987年のブラック・マンデーの暴落を事前に予測し、大量の空売りを仕掛けて莫大な利益を手にしたことで知られる。ジョーンズが運用する旗艦ファンドは、こうした手法で1987年からの20年間で年平均26%ものリターンをたたき出してきたとされる。

しかしながら、ここ数年の運用成績は低迷が続いていた。さすがのジョーンズも、人間のファンド・マネージャーや古い数理分析による運用手法に限界を感じ、機械学習など人工知能を利用した最近の運用潮流に乗り遅れてはいけないと考えたようだ。

次ページ方向転換を後押しした要因
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