マイクロソフト、進む日本法人改革 米ヤフー買収失敗の陰で…

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古参幹部は用済み? HP出身者が次々入社

企業ユーザーからの信頼回復、来年度の業績向上を目指し、樋口泰行社長が進めているのが幹部のクビのすげ替えだ。大企業向け営業統括の平井康文執行役専務は1月末に退任。企業向けの不振の責任を取らされたとみられても不自然ではないタイミングでの退任となった。

代わりに、2月には樋口氏がかつて社長を務めていた日本ヒューレット・パッカード(HP)専務執行役員の窪田大介氏、3月には同じくHP出身の鳴坂仁志氏を、企業向け担当の幹部に据えた。その下で来年度以降の中期計画策定を進めているところだ。企業向け部門の社員を現在の2倍の規模へ拡大するなど体制を強化することにより、新たな成長軌道を描こうとの戦略である。

中堅幹部の入れ替えはさらに進む見通しだ。最後の生え抜き日本人トップである阿多親市社長時代の現場体制は、2代続いた米本社出身社長の時代にも手はつけられず、そのまま残ってきた。樋口社長はそこにもメスを入れる。予算未達を理由に首筋が寒くなっている側は「予算未達の最大の責任は、樋口社長自身にあるはず」と不満を口にする。

5月7日、日本法人社員を集めた集会で、ゲイツ会長は、新年度からは企業向けと個人向けとを明確に分けた組織体制とすることを説明、樋口社長の下で業績拡大に努めるよう士気を鼓舞した。「世界で唯一パソコンの売り上げが伸びない国」といわれる日本市場で立て直しを図れるのか。まずは社内の不協和音を早期に収束させることが必要になる。

 


(山田俊浩 撮影:尾形文繁=週刊東洋経済)

 

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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