アベノミクスの本質を知らないと貧乏になる 現金だけを持っていればいい時代は終わった

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なかの はるひろ 中野 晴啓 セゾン投信代表取締役社長。1987年西武クレジット(現クレディセゾン)入社。債券のポートフォリオ運用を手がけた後、投資顧問事業を立上げ海外契約資産等の運用助言を行う。2006年セゾン投信設立。 

渋澤 これまでの「円高デフレ時代」は、何もしない方が結果的に良かった。だって、デフレだから株価は下げやすくなる反面、現金で持っていれば、デフレで物価は下がるから、同じ1万円札でより多くのモノが買えるようになる。

つまり資産運用などしなくても、お金の価値は勝手に高まっていったわけ。けれども、アベノミクスによって、資産を現預金で持っていることのリスクが顕在化したわけだよね。もっとも、株式や、株式を組み入れて運用されている投資信託などを持っていた人は、株価の上昇を享受できたので、多少なりとも円安によって資産価値が目減りするリスクを軽減できたのも事実。これ、手前味噌になりそうなので、ちょっと言いにくいんだけれども・・・・・・。

藤野 どうぞ、どうぞ(笑)。

渋澤 いよいよ資産運用を真剣に考える必要があるのではないだろうか、と。

中野 そうですね。でも、誤解のないように申し上げますが、アベノミクスが悪いと言っているわけではないのですよ。最大の問題はデフレにあるのですから、それを解決するためには、ありとあらゆる方法を用いて対処しなければならない。これははっきりしています。

ただ、その方法として、金融政策のみでデフレ解決を図ろうとするのはダメ。だって、潜在成長率が1%にも満たない状態なのですから。量的緩和によって、仮にインフレ率が2%になったら、その時点でスタグフレーションに陥ってしまいます。だから、3本目の矢として成長戦略が必要になってくる。もっと具体的に言えば、個人所得が増えるような政策を真剣に考えなければならない。個人の所得が増えれば、あるいは近い将来、確実に所得が増えるという期待感が高まれば、経済は気持ちよく回ります。

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