アベノミクスの本質を知らないと貧乏になる 現金だけを持っていればいい時代は終わった

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安倍首相は、あの諸葛孔明と同じことをした!?

しぶさわ けん 渋澤 健 国際関係の財団法人から米国でMBAを得て金融業界へ転身。外資系金融機関で日本国債や為替オプションのディーリング、株式デリバティブのセールズ けん 業務に携わり、米大手ヘッジファンドの日本代表を務める。2001年に独立。07年にコモンズ(株)を設立し、08年にコモンズ投信会長に着任。

中野 でも、いきなり成長シナリオを描けといっても無理がありますよね。今までも、何度となく成長戦略という言葉が出てきたけれども、皆、討ち死にしている。まずは、景気回復に火を付けるためにも、これまでかたくなに金融を緩和して来なかった日銀に、金融緩和をのませる必要があったと思いませんか。 

渋澤 でも、火は気を付けないと燃えちゃうからね(笑)。

中野 特に財政は劇薬ですからね。ま、でも株価は順調に上昇している。

藤野 あれは、安倍首相にとっての「赤壁の戦い」だったのだと思います。

中野 そのココロは?

藤野 曹操軍と孫権・劉備連合軍の間で行われた有名な戦いなのですが、あの戦いの勝敗は、孫権・劉備連合軍が、曹操軍の船団を火責めにしたことによって決したとされています。

この時、諸葛孔明が自陣に有利なように東向きの風を吹かせたと言われているのですが、これは別にトリックでもマジックでもなく、単に諸葛孔明は、そのタイミングで東向きの風が吹くということを、事前の調査で知っていたのですよ。アベノミクス・マジックもそれと同じで、別に安倍首相が打ち出した政策によって、円安が進んだわけではない。

円安になる材料がそろっていて、たまたまそこに安倍首相が登場したというだけの話です。貿易赤字に転じて8か月から10か月目には円安に転じるという経験則を、安倍首相自身、知っていたのだと思います。米国の景気も日々、強くなっていましたし、米ドル高が進む材料はそろっていました。

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